二百十日とは?読み方・2026年はいつ・台風との関係をわかりやすく解説
- 2026年08月06日公開
こんにちは、ヨムーノ編集部です。
「二百十日(にひゃくとおか)」とは、立春から数えて210日目、新暦では毎年9月1日ごろにあたる雑節で、昔から台風に警戒する「農家の厄日」として知られています。2026年はちょうど9月1日がその日にあたります。
カレンダーやニュースで言葉は見かけるけれど、正確な意味や何をすればいいのかは少し曖昧、という方も多いのではないでしょうか。
この記事では、読み方や2026年の日付といった基本から、その由来、なぜ台風の厄日と呼ばれるようになったのかを分かりやすく解説します。さらに、「二百二十日」や「八朔」との違い、同じく9月1日である「防災の日」との関わりから、家庭で今すぐできる備えまで、暮らしに役立つ情報を順に整理していきます。
読み終えるころには、この季節に家族の安全を守るために何を意識すればよいかが、すっきり分かるはずです。
二百十日とは?読み方と意味をわかりやすく
まずは言葉の基本を押さえておきましょう。読み方・意味・暦の中での位置づけを知っておくと、この後の由来や台風との関係もぐっと分かりやすくなります。
「にひゃくとおか」という読み方
二百十日は「にひゃくとおか」と読みます。「にひゃくとおにち」ではないので、声に出すと少し迷うかもしれません。「二百十(にひゃくとお)」に「日(か)」がついた言葉と覚えると自然です。「三日(みっか)」「十日(とおか)」と同じ、日本語ならではの数え方の読み方だと思うと納得しやすいでしょう。天気予報や暦の話題で耳にしたときも、これで戸惑わずにすみます。
立春から210日目・9月1日ごろの雑節
二百十日は、立春を1日目として数えて210日目にあたる日を指します。立春はおおむね2月4日ごろなので、そこから210日進むと、新暦ではだいたい9月1日前後になります。ちょうど夏の暑さが少し落ち着き、秋の入り口が見えてくるころです。この時期は稲が実りに向かう大切な季節であると同時に、台風が多くなる時期とも重なるため、昔の人が「気を引き締める日」として意識してきた節目でもあります。
雑節とは何か(二十四節気との違い)
二百十日は「雑節(ざっせつ)」のひとつです。雑節とは、二十四節気だけでは表しきれない季節の移り変わりを補うために、日本で暮らしの経験から生まれた特別な暦日のことをいいます。立春や夏至、冬至などは中国由来の二十四節気ですが、雑節は節分・彼岸・八十八夜・入梅・半夏生・土用、そして二百十日・二百二十日など、より生活や農作業に密着した日が中心です。つまり二百十日は、日本の気候と暮らしに合わせて生まれた、実用的な季節の目印だといえます。
2026年の二百十日はいつ?日付早見表
ここでは「結局いつなのか」をはっきりさせます。2026年の日付と、年によって前後する理由、関連する雑節の日付をまとめて確認しましょう。
2026年は9月1日
2026年の二百十日は9月1日です。2026年の立春は2月4日で、そこを1日目として数えて210日目がちょうど9月1日にあたります。多くの年で二百十日は8月31日または9月1日になり、9月1日「防災の日」と重なることも珍しくありません。2026年はまさにその重なる年なので、防災を見直すきっかけとしても覚えやすいでしょう。
年によって日付がずれる理由
二百十日は「9月1日固定」ではなく、年によって8月31日になることもあります。理由は起点となる立春の日付が年ごとに1日ほど動くためです。地球が太陽を1周する時間はきっちり365日ではなく、約365.24日。このずれをうるう年で調整している関係で、立春も2月3日〜5日の間で前後します。起点が動けば、そこから210日目も自然にずれるというわけです。日付が違っても慌てず、「立春から210日目」という数え方を覚えておくと確実です。
二百十日・二百二十日・八朔の日付一覧
二百十日と近い時期には、同じく風や台風を警戒する日がいくつかあります。2026年の目安を表にまとめました。 八朔は旧暦を基準にするため新暦の日付が年ごとに大きく動きます。あくまで目安として、その年の暦で確認すると安心です。
二百十日の由来|立春から210日目の数え方
なぜこの日が特別な日として暦に残ったのでしょうか。数え方の背景と、稲作との深い関わりを見ていきます。
江戸時代の暦に記された経緯
二百十日が暦に記されるようになったのは、江戸時代前期といわれています。当時の暦づくりに関わった人々が、経験的に「立春から210日ごろに荒れた天気が多い」と気づき、農家への注意喚起として書き加えたと伝えられています。天気予報がなかった時代、人々は長年の観察から季節の危険を読み取り、暦に知恵として残してきました。二百十日は、そうした先人の経験が形になった「昔ながらの天気の目安」ともいえる存在です。
稲の開花期と重なる時期の意味
二百十日が重視されたのは、この時期がちょうど稲の開花・結実の大切な時期と重なるからです。稲の花が咲くころに強い風雨に見舞われると、受粉がうまくいかず、収穫量が大きく減ってしまいます。米が生活の基盤だった時代、この時期の天候はまさに死活問題でした。だからこそ農家は二百十日を「油断できない日」として心に刻み、天候に神経をとがらせてきたのです。
なぜ台風の厄日といわれるのか
二百十日といえば「台風の厄日」という印象が強い方も多いはずです。その背景と、実際のデータではどうなのかを整理します。
台風シーズンと重なる季節の節目
9月上旬は、夏に発生した台風が日本付近へ近づきやすい時期にあたります。海水温が高い状態が続き、台風が発達しやすいうえ、進路が日本列島に向かいやすくなるためです。稲作の大切な時期と台風シーズンがちょうど重なるため、二百十日は「厄日」として警戒されてきました。現代でも9月は台風による大雨や暴風の被害が起きやすく、昔の人の感覚は今も的外れではありません。
本当に台風は多い?気象データで確認
気象庁の統計を見ると、台風の日本への接近・上陸は8月から9月にかけて多くなる傾向があります。ただし、9月1日という「その日」だけを見れば必ず台風が来るわけではありません。あくまで「台風が多くなる季節の入り口」を示す目安と考えるのが正確です。「二百十日だから今日は必ず荒れる」と身構える必要はありませんが、「これからしばらくは台風に注意が必要な時期」と受け止め、天気予報をこまめに確認する習慣づけの日にすると役立ちます。
二百二十日・八朔との違い|農家の三大厄日
二百十日とセットで語られるのが二百二十日と八朔です。この3つは「農家の三大厄日」と呼ばれます。違いを整理しておきましょう。
三大厄日を比較表で整理
それぞれの位置づけを表で見比べてみます。 3つとも風や天候の荒れを警戒する日ですが、八朔は豊作を願う行事的な性格も併せ持つのが特徴です。
風を鎮める風祭り(おわら風の盆など)
この時期には、荒ぶる風を鎮めて収穫を守ろうとする「風祭り(かざまつり)」が各地で行われてきました。有名なのが富山市八尾(やつお)で開かれる「おわら風の盆」で、毎年9月1日から3日にかけて、哀愁ただよう胡弓の音色と踊りが町を彩ります。まさに二百十日にあわせて風の厄を払い、豊作を祈る行事です。二百十日は単なる暦の記号ではなく、こうした季節の祭りや暮らしの文化とも結びついている、と知ると身近に感じられます。
9月1日「防災の日」との関係と家庭の備え
二百十日は9月1日「防災の日」と重なることが多く、防災を見直す絶好のきっかけになります。関係と、家庭でできる具体的な備えを紹介します。
二百十日と防災の日が重なる理由
9月1日が「防災の日」に定められたのは、1923年(大正12年)に発生した関東大震災の日にちなむと同時に、台風が多い二百十日ごろにあたることも理由のひとつとされています。地震と台風、両方の災害に備える意味を込めた日というわけです。二百十日と防災の日が同じ時期にあるのは偶然ではなく、「災害に気を引き締める季節」という共通の背景があるのです。この重なりを利用すれば、毎年決まった時期に無理なく防災を見直せます。
この時期に見直したい防災グッズ・備蓄
防災の準備と聞くと身構えてしまうかもしれませんが、いきなり完璧を目指す必要はありません。まずは家にあるものの確認から始めれば大丈夫です。台風シーズンを前に、次のポイントをチェックしてみましょう。 飲料水・非常食の賞味期限(1年に一度この時期に見直すと忘れにくい) 懐中電灯・モバイルバッテリーの充電と電池の残量 常備薬・救急セット、乳幼児がいる家庭はミルクやおむつ ハザードマップで自宅周辺の浸水・土砂災害リスクを確認 ベランダの植木鉢や物干し竿など、強風で飛びやすいものの片付け 全部を一度に揃えなくても、まずは一つ確認するだけで十分な第一歩です。子どもと一緒に非常食を選ぶなど、家族の防災を話し合う時間にするのもおすすめです。
暮らしに役立つ二百十日の豆知識
最後に、知っておくとちょっと役立つ二百十日の話題を集めました。俳句や小説、子どもへの説明にも使えます。
季語・俳句としての二百十日
二百十日は秋の季語としても使われ、俳句や和歌に詠まれてきました。台風の到来を待つ農家の緊張感や、季節の移ろいを表す言葉として親しまれています。カレンダーの片隅にある言葉だと思っていたものが、実は日本の四季を映す文学的な表現でもあるのです。手紙やあいさつ文で「二百十日を迎え」と一言添えると、季節感のある大人の表現になります。
夏目漱石の小説『二百十日』
「二百十日」は、文豪・夏目漱石の小説のタイトルにもなっています。1906年に発表された作品で、二人の青年が阿蘇山に登る道中の会話を通して物語が展開します。タイトルそのものが季節の荒れやすさを象徴しており、名前を知っておくと会話の話題にもなります。子どもの読書感想文や、季節にちなんだ読書のきっかけとしても覚えておくとよいでしょう。
子どもへの説明・自由研究のヒント
お子さんに「二百十日ってなに?」と聞かれたら、「春が始まる立春の日から数えて210日目で、台風が来やすいから気をつけようね、っていう昔からの目印だよ」と伝えると分かりやすいです。夏休みの自由研究にもぴったりで、立春から実際にカレンダーで210日を数えてみる、過去の9月の台風を調べてみる、防災グッズを家族でチェックする、といったテーマに発展させられます。暦を通して季節と防災の両方を学べる、身近で奥深い題材です。
よくある質問
この記事に関してよく寄せられる質問をまとめました。
二百十日は毎年9月1日で固定ですか?
固定ではありません。立春から210日目という数え方のため、立春の日付が年によって前後する関係で、二百十日も8月31日になる年があります。2026年は9月1日です。
二百十日には必ず台風が来るのですか?
必ず来るわけではありません。9月上旬は台風が近づきやすい時期ではありますが、二百十日はあくまで「台風に警戒する季節の目安」です。その日に台風が来るとは限らないので、天気予報で最新情報を確認するのが確実です。
二百十日と二百二十日はどう違うのですか?
数え方の起点は同じ立春で、二百十日は210日目、二百二十日はその10日後の220日目(9月11日ごろ)です。どちらも風雨を警戒する日で、八朔と合わせて「農家の三大厄日」と呼ばれます。
二百十日の読み方を教えてください。
「にひゃくとおか」と読みます。「十日(とおか)」と同じ読み方で、「にひゃくとおにち」ではない点に注意しましょう。
なぜ9月1日が防災の日なのですか?
1923年の関東大震災が9月1日に起きたことに加え、台風が多い二百十日ごろにあたることも理由とされています。地震と台風の両方に備える意味が込められた日です。
まとめ|二百十日は台風と防災を意識する季節の節目
二百十日は、日本の暮らしに根ざした季節の目印であり、台風と防災を意識するきっかけになる日です。最後に要点を振り返っておきましょう。 二百十日(にひゃくとおか)は立春から210日目、9月1日ごろの雑節 2026年は9月1日。年により8月31日になることもある 稲の開花期と台風シーズンが重なるため「農家の厄日」とされてきた 二百二十日・八朔と合わせて「三大厄日」。風祭りの文化も残る 9月1日「防災の日」と重なり、家庭の備えを見直す好機になる 二百十日を一言でいえば、「立春から210日目、台風と防災に気を配る季節の節目」です。難しく身構える必要はありません。今年の9月1日は、飲料水や非常食の期限をひとつ確認するだけでも立派な備えの第一歩になります。昔の人が暦に残した知恵を、暮らしの安心につなげてみてください。