大谷翔平さんも当然食べた!?【東北ご当地グルメ】「地元民が偏愛!ソウルフード」「“揚げたて”に観光客が殺到」大大大ヒット4選
- 2025年09月04日公開

こんにちは、ヨムーノ編集部です。
旅先や出張先でスーパーマーケットや個人のお店に立ち寄ったとき、思わず手にとってしまう、その土地ならではの食品。「こんなの、私の地元には売っていない!」とワクワク感がこみあげてきますよね。
今回は、そんな魅力的な「ご当地食」の中でも東北地方に注目。
スーパーマーケット研究家・菅原佳巳さんに、著書『47都道府県 日本の地元食大全』から、歴史や文化とともに東北で愛される4つのご当地食を紹介していただきました。
地元出身者なら「懐かしい!」「え、これって全国区じゃないの?」と、新しい発見があるはずですよ。
【青森】グラタンフライ お好みフライ(むつ食品)
高校生と育んだ、揚げ物シリーズ
むつ食品のフライシリーズはチキンカツ、グラタンフライ(右)、お好みフライ(左)メンチフライの全4種。総菜ながら袋入り、ワンハンドで食べられる形状からか、パンや餅、団子などの隣で販売されています。青森県八戸市内の高校購買部で長く販売されているため、地元のソウルフードと言われる存在です。
チキンカツとメンチフライは中身が想像しやすいかもしれませんが、他の2種の中身は一体何なのか?「グラタンフライ」は玉ねぎや鶏肉入りのマカロニグラタンを春巻きの皮で包んだ、まさにグラタンそのもの。「お好みフライ」はイカがたっぷり入り紅生姜のきいたお好み焼きのタネにパン粉をつけフライに。本場広島のソースが染み込んで本格的な味わいです。
1974(昭和49)年、24歳目前の岩舘陸奥子さんが創業すると、総菜のキャベツ入りのチキンカツが人気に。店が忙しくなると会社員だった夫も退職し、共に事業を育ててきました。それから約51年、元高校生らが子や孫と共に、今も岩舘さんを訪ねてくれるそうです。
DATA
当日中・惣菜
むつ食品の店舗、市内ミニストップ、一部スーパーなどで1個200円(税込参考価格)。
【岩手】とろろうどん(小山製麵)
山芋粉練り込み、つるつるの食感
わんこそばに盛岡冷麵、じゃじゃ麵など名物麵の多い岩手県では、昔から小麦、そばの産地のため、粉食文化が開花。小山製麵の「とろろうどん」は細めのうどんに山芋粉が絶妙なバランスで練り込まれており、食べだしたら止まらない魔性のつるつる食感です。おいしさの秘密は、24時間以上かけてゆっくり干す製造工程。熟成されて風味が一層よくなります。夏は冷やして冬は温めて食べられている同社の看板商品です。
1960(昭和35)年、小麦の栽培が盛んだった奥州市(現在)に、15坪の製麵製粉工場として創業。「とろろうどん」は初めてのヒット商品で、すでに45年のロングセラーとなっています。敷地面積も当初の100倍を超え、製造する商品も100種類以上に。幅広の「はっと」や、手でちぎるという意味の「ひっつみ」などの郷土料理麵から、地域の人気外食店の味までそろい、岩手で同社の商品を食べずに育つことはたぶん不可能。推測ですが、地元出身の大リーガー・大谷翔平選手の体の一部は「とろろうどん」でできているかも。
DATA
常温・乾麺
県内主要スーパーなどで1袋216円(税込参考価格)。
【宮城】三角定義あぶらあげ(定義とうふ店)
平家由来の門前、仙台名物の源流
仙台市内では、大きく厚みがある三角形の油揚げが人気ですが、その流れを生んだのは1軒の店。仙台駅から車で1時間弱の山中、古くから栄えた定義如来西方寺の門前町にある定義とうふ店です。
5代目・庄司享義社長の曽祖母が1890(明治23)年、男衆が林業に従事するなか、門前の旅館などに精進料理の食材として豆腐を製造販売したのが始まりでした。当初、三角定義あぶらあげは持ち帰り用のみ。全国の百貨店に売り込みにでかけるなど大苦戦でしたが、やがて先代が店頭で揚げたての販売を始めると観光客の評判に。繁忙期には1日1万人が訪れ、揚げたてにかぶりつきます。外はカリッ、中はジュワッ。醤油と七味唐辛子をかければ完璧です。
意外にも三角定義あぶらあげと三角定規は無関係。三角形は効率よく揚げるための形です。定義とは800年前、壇ノ浦で敗れた平貞能がこの地で名を定義と改めたことに由来します。守り抜いた平家の阿弥陀如来の掛け軸は寺の秘仏となりました。
DATA
冷蔵・惣菜
お店では揚げたてを1枚150円(税込参考価格)で食べられます。土産用の4枚入り600円(同)も。市内の藤崎本店、フードマーケットフジサキでも販売。
【秋田】児玉冷菓のババヘラアイス(児玉冷菓)
満開のバラ盛り、カップアイスで
4〜10月、秋田県の道端やイベント会場に咲く、黄色と赤のパラソルの花。その下で売り子さんが見事な手さばきで咲かせるのは秋田のご当地アイスでつくるバラの花です。売り子さんのババ(=おばあさん)がヘラで盛ることからついた名で、メーカーも複数存在。金属のヘラを使い、コーンの上にピンクと黄色のアイスを満開にさせていく“映え”の元祖、「バラ盛り」が有名です。
いつだれが、芸術的に盛ったのか?「児玉冷菓のババヘラアイス」で知られる児玉冷菓によれば、「20年ほど前、当社の橋本さんという超ベテラン(推定年齢80代)の売り子さんが考案し、広まった」とのこと。1948(昭和23)年の創業から変わらないピンクのイチゴ味、黄色のバナナ味のシャーベットアイスのさっぱりとした味と美しいバラ盛りで、猛暑も乗り越えられそう。
秋田では伝統的なババの販売方式も、他の地域では営業許可などが難しかったこともあり、バラ盛りにしたカップアイスで県外進出することに注力。熟練のババ同様のバラ盛りを楽しめるようになりました。
DATA
冷凍・アイス
自社通販のほか県内外の一部スーパーなどで販売。1個328円(税込参考価格)。
※『47都道府県 日本の地元食大全』(著者:菅原 佳己)の内容を一部掲載しています。
知れば知るほど楽しい“ご当地食の世界”
ご当地食にはその土地の歴史や文化がたっぷりと詰まっています。他の地域では滅多に手にすることができないため、大変貴重で、お土産物としても重宝されますよ。
本書では、全国各地の麺類、パン、お菓子、調味料、酒、乾物など、多種多様なカテゴリーのご当地食を紹介しています。地域ならではの味を求めて、旅をしてみたくなる一冊です。
【書籍情報】
タイトル:47都道府県 日本の地元食大全
著者:菅原 佳己
発売元:平凡社
価格:単行本 2,090円、kindle版 1,881円(税込)
※kindle版の値段は2025年8月25日時点のものです。

「くらしをもっと楽しく!かしこく!」をコンセプトに、マニア発「今使えるトレンド情報」をお届け中!話題のショップからグルメ・家事・マネー・ファッション・エンタメまで、くらし全方位を網羅。
こちらもどうぞ
人気記事ランキング
24時間PV集計
都道府県
-
行列に並んで約40分…ギネス記録を持つ【道の駅常総】おすすめグルメ4選2025/09/02
-
豚骨ラーメンもいいけど…【福岡】でコレ食べて!カップ麺にもなったご当地チェーン【ウエスト】地元民流の食べ方2024/10/26
-
関東おすすめ道の駅ランキング【2025年版】人気グルメからお土産・駐車場情報まで2025/07/17
-
【東京おすすめグルメ】十割そば中村麺兵衛おすすめメニュー「厚みかつ丼」2025/09/01
-
【ロケ地紹介】オモウマい店に登場したおすすめお店2025/05/20
-
【クイズ】地元民も読めない「埼玉の難読地名」全20問の壁に挑戦!ちょっと難問多すぎ2024/11/15
-
朝9時オープンから続々来店!【栃木県】テーブルに届いて仰天「そびえ立つクリーム、フルーツ鬼盛り…」夢のような“超贅沢モーニング”2025/08/30
-
産地直送から&お土産まで!岐阜県おすすめ道の駅「美濃にわか茶屋」に行ってきた2025/09/01
-
平日でも駐車場が満車!?【神奈川・農場直売】10回以上買って毎回感動「車飛ばして駆け込む」「地元で絶大な人気」429円スイーツレポ2025/08/22
-
「孤独のグルメ」に登場した東京のおすすめお店3選2025/05/21
特集記事
-
2025年07月31日
-
2025年04月18日
-
2024年05月02日
連載記事
-
2019年08月21日
-
2019年05月28日