どちらが笑っているように見えますか?【右利きと左利き】「体」に操られる「脳」の世界

  • 2024年01月24日公開

こんにちは、ヨムーノ編集部です。

夫婦の不仲、離婚問題。会社での上司や部下、同僚とのストレス。親子の関係や子育ての悩み。
「わかってくれるはず」という思い込みが原因でうまくいかないことばかり。

実は、脳にはバイアスがかかっているので、あなたが見ている世界と、あなた以外が見ている世界は違います。

ここでは、脳科学者(工学博士)、分子生物学者。T&Rセルフイメージデザイン代表の西剛志さん著書「なぜ、あなたの思っていることはなかなか相手に伝わらないのか?」の中から一部編集・抜粋してご紹介しています。

「体」に操られる「脳」

右と左の絵、どちらが笑っているように見えますか?

右利きと左利きでは同じものも違って見える

あなたは、 どちらが笑っているように見えましたか?

右利きの人は右、左利きの人は左のほうが笑っているように見えます。
なぜこんな違いがあるのか、見ていきましょう。

ここでは、利き手や性別、生まれ育った国の違いがわかりあえない原因をつくっているという話を紹介しましょう。

先ほどの問題の絵は、実は左右反転しただけで、右も左も同じ絵です。
それでも、どちらかが笑っているように見える。不思議ですよね。

実は、多くの方が右の絵のほうが笑っているように見えると答えます。

これは、人間は右視野よりも左視野を重視しがちな認知傾向があるからです。
この認知傾向は「シュードネグレスト効果」というバイアスであり、右利きの人は、特にその傾向が強く表れるといいます。

つまり、右の絵が笑っているように見えると答える人が多くなるのは、人間の約9割は右利きだからと考えられます。

ただし、統計学上のことなので、もちろん例外もあります。
右利きの人が左の絵が左利きの人が右の絵が笑っているように見える場合もあります。

魚の絵を描くときは左を頭にするのが一般的ですが、魚屋さんに並べられている魚も、お皿に盛られた焼き魚も左が頭になっています。

これは、左視野にある情報を重視する、人間の認知機能が生み出した慣習の1つといえます。ひと目で「これは魚だ」とわかるようにと、人々の間でつくられていったのでしょう。

きっと動物や鳥のイラストを描くときも左を頭にする人が多いと思います。逆だと違和感がある人が多いのは、やはり右利きが多いからだといえるかもしれません。

左側重視を恋愛術に活かそうと、左側への視線を意識したヘアスタイル、メイク、ファッションなどのアドバイスをする人たちまでいます。
意中の相手がいるときは、左側に座るようにと指南する人までいます。

左利きの場合は、右側重視になる人も多いようです。ちなみに、もともと左利きの私は、左のほうが笑っているように見えます。
あなたが左利きなら、同じように左の絵が笑っているように見えたかもしれませんね。

このように右利き、左利きという違いでも、見え方が変わってきます。

2人で同じものを見ても、左側にある情報を重視するか、右側にある情報を重視するかが異なり、見ている世界、見たものの印象ががらりと変わるのです。

それは、相手の見方が間違っているのではなく、単に利き手が自分と違うからなのかもしれません。

夫婦でも同じ人を見ているのに全然違う印象を持っていたり、テーブルの上のものの配置の好みが違うことがありますが、優先する視野の違いが原因かもしれません。

この記事を書いた人
ヨムーノ 編集部

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