暖めるべきは「下半身」医師に聞いた【正しい温活】のやり方・おすすめグッズ4選
- 2023年09月29日更新
こんにちは、くふうLive!編集部です。
“冷えは万病のもと”と、昔からいわれますが、最近は冷え性改善に「温活」が注目されていることをご存知でしょうか?
体の冷えは女性の美容にも大敵です。今回は、そんな冷えに効く正しい温活のやり方を医師の木村眞樹子さんに教えてもらいました。効果的な温活で体をやさしくケアし、体の内側から美容と健康をめざしましょう。
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そもそも温活ってなに?
温活とは、日常から体を温め、冷えにくい体を作ること。冷えてから温めるのではなく、基礎体温を上げて、適切な体温にすることも目的のひとつです。
昔の日本人は平熱が37度前後だったといわれます。対して、現代人は平熱が36度台から35度台と低下しているため、冷え性に悩まされることが多くなっているのです。
「代謝アップのために水をたくさん飲んでいる」という人は要注意。新陳代謝アップのためには運動をセットにすることが基本で、ただやみくもに水を飲んでも、むくんだり血流を悪化させたりするため、体を冷やしてしまうことになりかねません。
また、「頭寒足熱」という概念も忘れてはいけません。温活は、上半身より下半身を重点的に温めるのが基本です。汗のかきすぎに気をつけて、腹巻きや発熱インナーを選ぶなど、お腹より下を意識して温めましょう。
正しい温活の方法4つをご紹介!
ここからは、正しい温活の方法をご紹介します。温活で新陳代謝を活発にさせれば、体も心も健康的に変わっていきます!
1.食事で温活
日々の食事には、体を温める食品を積極的に取り入れましょう。以下に、おすすめの食品をご紹介します。
- ショウガ
ショウガは冷え解消の代表選手。加熱することで効果もアップします。ショウガに含まれる辛み成分「シンゲオール」は、加熱すると「ショウガオール」という成分に変化し、体を深部からポカポカと温めてくれます。
- 紅茶、シナモン
また、紅茶やシナモンにも体を温める効果があります。ショウガとのブレンドにも適しているので、冷え対策にはショウガとシナモンのブレンドティーがおすすめです。寒い日の午後のティータイムにとても最適ですね。
- 発酵食品
さらに、保温効果を持つ食品としては、発酵食品もおすすめです。発酵食品に含まれる酵素が代謝力を引き上げ、体の保温効果を上げるといわれています。
温かな体を維持するため、味噌・納豆・キムチなどの発酵食品を積極的に摂るようにしましょう。味噌汁などの温かい汁物なら、食卓にも毎日とり入れやすいですよね。
- 体を冷やす食品
逆に気をつけるべきなのが、アイスや冷たい飲み物です。そして生野菜も、摂りすぎると冷えを促進してしまいます。食事の際は冷たいものはなるべく控え、野菜は温野菜にするなどの工夫が必要です。
2.簡単なストレッチ
運動は温活にも重要です。ジョギングやウォーキングなど、軽めの運動も適していますが、室内で行うならストレッチがおすすめ。激しい運動を行わなくても、ストレッチでも十分、血行の促進効果は期待できます。
外側から温めるときと同様、意識するべきは「下半身」です。とくに、第二の心臓ともいわれるふくらはぎを中心としたエクササイズが効果的といわれます。
血液は体を循環していますが、血液を心臓に戻すには下半身の筋肉が重要です。これは「ミルキングアクション」と呼ばれる筋肉の働きに関係しています。
「ミルキングアクション」とは、脚の筋肉が下半身の血液をポンプのように心臓に押し戻す働きのこと。ふくらはぎの筋肉を鍛えれば、この働きにより全身の血流が良くなるため、冷えの改善につながるのです。
以下に、下半身の血流を上げ、体を温めるためにおすすめの運動を2つご紹介します。
①つま先立ち運動
下半身の血流を促す、おすすめのふくらはぎエクササイズは「つま先立ち運動」です。かかとが床につかないように「つま先立ち」を繰り返すだけなので、お手軽に行えます。仕事や家事の合間にも気軽に行えます。
②足指グーパーストレッチ
「足指グーパーストレッチ」も、下半身の血流促進に効果的です。この運動は、ベッドに寝転がり、足をゆっくりと天井方向に上げながら足の指先を広げたり閉じたりするだけ。
じゃんけんのグー、パーのように足の先をきちんと広げて行いましょう。脚を高く上げることで下半身にたまった血液が心臓に戻りやすくなり、血流が改善するため、足先の冷えの改善に効果的です。
3.生活習慣を見直す
温活は、日々の生活で体を温める習慣を作ることが大切です。ここでは、温活として取り入れる方も多い入浴について、より効果のある正しい入浴方法をお伝えします。
温活のための入浴方法
温活では、お風呂の入り方も大事です。「湯温が熱いほうが体があたたまりそう」と思っている方も多いと思いますが、実は間違い。
体を効果的に温めるための適切な温度は38度から40度、入浴時間は15分ほどと、ぬるめのお湯にゆっくり浸かるくらいがちょうどいいとされています。
お風呂の温度が熱いと、体温調節のために一気に汗をかいてしまうため、逆に体温が下がりすぎてしまいます。また、熱いと短時間の入浴になりがちで、深部まで温まることができません。
長すぎる入浴は熱中症のリスクとなりますし、肌も乾燥してしまいます。 「長風呂、高温は温活には適さない」と、覚えておきましょう。
温活にはサウナもおすすめ
最近人気のサウナも温活には最適です。血流促進効果があり、全身を効果的に温められるでしょう。
ただし、サウナを出た直後に水風呂に入ることは、心臓に負担をかけ、血圧が上がってしまうので注意しましょう。サウナ後の水風呂は血流を良くする効果もありますが、健康に不安がある場合は水風呂ではなく、30℃くらいのぬるま湯に浸かるか、外気浴などがおすすめです。
また、サウナが息苦しくて苦手、という方には低湿度の陶板浴がおすすめです。岩盤浴の岩の代わりに陶器製の板を敷き詰めたものが陶板浴です。湿気が少なく、子どもからお年寄りまで利用しやすいサウナとして人気があります。
正しい入浴方法やサウナで体を効果的に温め、楽しみながら温活をしていきましょう。
4.グッズを活用
ここからは温活に使えるお役立ちグッズをご紹介していきます。
- 腹巻き
まず、お腹を冷やさないためには「腹巻き」が定番。ひと昔前までのイメージとは違い、最近では、おしゃれで可愛い腹巻きが主流となっています。とくに、光電⼦繊維を使用した腹巻きは、自らの体温で温め返すという優れもの。ぜひチェックしてみてください。
- 入浴剤
入浴剤の人気商品、花王の「バブ」からも、温活を意識した製品が商品化されています。「メディキュア 温もりナイト」は、高濃度炭酸に加え、温泉成分や保温ベール成分を配合した入浴剤です。
冷え性から疲労、肩こり、腰痛までケアし、つらい冷えを改善する効果があるとされています。
- 湯たんぽ
ドリームの「骨盤ゆたんぽ よもにん」は、温活の湯たんぽとして大人気な商品です。骨盤を優しく受け止め、「よもぎ蒸し」を再現した温かさで下半身の冷えを解消します。
テレワークで長時間座っていることが多くなったという人にも、ぴったりの商品です。
- 足元を温める衣類
レッグウォーマーや5本指ソックスも、冷えに悩む方には最適な製品です。ただ、足を締めつけすぎると血流が悪くなり、逆に冷えが悪化する場合もあるので気をつけましょう。
自分の体に合う、ある程度のゆとりがある製品を選びましょう。
漢方薬を飲んでみる
「冷えの改善のために時間や労力をかけられない」 「温活には興味があるけど、すぐに生活習慣を変えるのは難しいかも……」 という方におすすめなのが、漢方薬です。 冷えに悩まされている場合、原因は体質であることが多いのですが、漢方薬はこの体質を「良い体質」に変えるために心身全体に作用します。
医薬品としても効果が認められており、自然の生薬から作られているので比較的副作用が少ないといわれています。
もちろん、バランスのとれた食事や、体質に合った運動をこなせるのであれば、それに越したことはありませんが、たとえ理想どおりにできなくても、自分に合った漢方薬を毎日のむことで、冷えにくい、望ましい体質をめざすことはできるでしょう。
体の冷えに悩む方におすすめの漢方薬
当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)
血行が悪く、体の冷えに悩む方に用いられる漢方薬です。手足の冷えの改善に処方されます。桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
体力がある人に向き、冷え症や月経不順などの方に用いられる漢方薬です。婦人科系の不調などにも使われます。当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
体力のない人向き。血液の流れを促進し、体を温める漢方薬です。月経不順の方にも用いられます。
ただ、注意しなければならないのは、選んだ漢方薬が自分の今の状態や体質に合っているかどうかということです。もし合っていなければ、目指している健康状態を手に入れられないばかりか、副作用がおこることもあります。
自分に合う漢方薬を手軽に見つけるための専門サービスとして、A Iを利用した「あんしん漢方」が話題になっています。そういったサービスを活用するなどして、漢方に精通した専門家に相談することをおすすめします。
自分に合った温活スタイルを見つけよう!
温活は体の代謝機能を上げ、冷えを改善します。今回紹介した温活法を参考に、自分に合った温活スタイルを見つけ、生活にとり入れてみましょう。温活で体を温め、体の不調が改善されれば、毎日がもっと楽しくなりますよ!
温活について教えてくれた先生
- 医師 木村 眞樹子
- 医学部を卒業後、循環器内科、内科、睡眠科として臨床に従事。妊娠、出産を経て、産業医としても活動するなかで、病気にならない身体をつくること、予防医学、未病に関心がうまれ、東洋医学の勉強を始める。臨床の場でも東洋医学を取り入れることで、治療の幅が広がることを感じ、西洋薬のメリットを活かしつつ漢方の処方も行う。また、医療機関で患者の病気と向き合うだけでなく、医療には関わる前の人たちに情報を伝えることの重要性を感じ、webメディアで発信も行なっている。
「くらしをもっと楽しく!かしこく!」をコンセプトに、マニア発「今使えるトレンド情報」をお届け中!話題のショップからグルメ・家事・マネー・ファッション・エンタメまで、くらし全方位を網羅。
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