「たくさん寝たはずなのに眠い」眠気の原因は"寒暖差"かも?薬剤師に聞いた解消方法

  • 2021年03月30日更新

こんにちは、くふうLive!編集部です。

「眠っても疲れが残っている」「日中、眠くて仕事に集中できない」などの症状はありませんか?その眠気の原因には、寒暖差疲労からくる自律神経の乱れが関係しているかもしれません。

不眠の症状が続くと、仕事や日常生活にも影響が出てきてつらいですよね。不眠の症状が続くと健康にも影響し、結果的に寿命を縮めることにもなりかねません。
そこで今回は、寒暖差疲労の原因と症状、寒暖差疲労による眠気の解消法について、薬剤師の西林さんにお話を伺いました。

眠いのはなぜ?

今年の冬は寒い日が続いたと思ったら暖かい日があったりと、気温差が激しい日々が続いています。このような気温差があると、体は環境に応じようとして必要以上に交感神経が興奮してしまうといわれています。

その結果、気温の寒暖差によって自律神経が乱れ、体に疲労が蓄積しまうと考えられます。この疲れこそが「寒暖差疲労」と呼ばれるものです。

一般的に、前日よりも気温差が5℃以上あると体に影響が出やすくなるといわれます。そして、寒暖差疲労の症状は、身体的不調から精神的不調までと幅広く、人それぞれ異なります。
体のだるさや疲労感に伴う日中の眠気は寒暖差疲労の代表的な症状のひとつです。眠気の原因が寒暖差疲労の場合、他にもイライラや落ち込みなどの気分の不調、頭痛、めまい、肩こり、腰痛などの症状が現れることがあるといわれています。

寒暖差疲労による眠気の対処法・改善法

では、寒暖差疲労による眠気にはどのように対処していけばいいのでしょうか。ここでは、寒暖差疲労による眠気の対処法と、効果的な改善法をお伝えしていきます。

1.温度差をなくす

寒暖差疲労を起こさないためには、まず体に寒暖差を感じさせないことが大切です。室内ではエアコンなどで一定の快適な温度を保ちましょう。外に出かける時は、体を冷やさないようにしっかりとダウンやコートなどで防寒しましょう。

ただし、外出先が温かい場合もありますので、コートの中はカーディガンなど体温調節しやすい服装を心がけることが大切です。

2.丹田呼吸法で自律神経を整える

寒暖差疲労の根本的原因である自律神経の乱れを自分自身で調節するには、普段私たちが何気なく行っている「呼吸」を意識することが大事です。
さまざまな呼吸法の中でも丹田呼吸法は、自律神経が緊張状態にあるときは体をリラックスさせるとされており、自律神経のバランスを整えてくれます。 丹田呼吸法は、丹田(おへその5〜9センチ下)をイメージしながら呼吸を行ないます。丹田を意識しながら「吐く」ことが丹田呼吸法のポイントです。

3.入浴する

神経の興奮を鎮めてリラックスするために、必ず1日1回はお風呂に浸かりましょう。就寝の3時間ほど前に、38〜40℃の温度で15〜20分間ほど入浴をすると、自律神経を整えリラックスする効果があるといわれています。

毎日の入浴で体を温めることで、心と体の緊張をほぐしていきましょう。

4.ストレッチ

疲れやストレスによって、首や肩の筋肉は緊張しています。ストレッチをすることで首や肩の筋肉の血行を改善し、筋肉の緊張をほぐしてリラックスできるでしょう。

首のストレッチでは、手を首に添えて首をゆっくり左右に倒したり、後頭部に両手を添えた状態で手の重みで地面方向に軽く押したりといった方法で、首の後ろを伸ばしていきましょう。

また、肩を回すストレッチを気づいたときに行うようにすると、肩まわりの筋肉の緊張をほぐすことができますよ。肩回しのストレッチでは、肩甲骨を起点とするように意識して回すと、より大きく筋肉を動かせるのでストレッチ効果が増大します。
さらに、全身をリラックスさせるためには、腰(骨盤周り)、背中、太ももの裏、ふくらはぎの筋肉を伸ばすことも大切です。

漢方薬で体調を整える方法も

寒暖差疲労による眠気の改善には、漢方という選択肢もあります。寒暖差疲労による眠気に悩まされている場合、原因は体質であることも多いのですが、漢方薬はこの体質を「良い体質」に変えるために心身全体に作用することも目的としています。

もちろん、日常のちょっとした習慣を変えたり毎日適度な運動をこなせたりするのであればそれに越したことはありませんが、たとえ理想どおりにできなくても、自分に合った漢方薬を毎日のむことで、疲労しにくい、望ましい体質をめざすことはできるでしょう。

寒暖差疲労が原因で、倦怠感による眠気がある方におすすめの漢方薬

  • 補中益気湯
    胃腸の働きをよくして体力を回復してくれます。

  • 十全大補湯
    気と血を補い元気を取り戻すのを助けてくれます。

  • 人参養栄湯
    滋養強壮作用や疲労改善をしてくれます。

ただ、注意しなければならないのは、選んだ漢方薬が自分の今の状態や体質に合っているかどうかということです。もし合っていなければ、目指している健康状態を手に入れられないばかりか、副作用がおこることもあります。

自分に合う漢方薬を手軽に見つけるための専門サービスとして、A Iを利用した「あんしん漢方」が話題になっています。そういったサービスを活用するなどして、漢方に精通した専門家に相談することをおすすめします。

寒暖差疲労による眠気は自律神経を整えて改善をめざそう

今回は寒暖差疲労の原因と症状、および対処法についてご紹介しました。普段、日中に眠気が出てしまうという方は、原因はただの寝不足ではなく、寒暖差疲労かもしれません。寒暖差疲労は、自律神経の乱れを引き起こし、結果として睡眠障害などの症状につながるのです。

自律神経の乱れによる疲労感や眠気は、リラックスできる呼吸法を意識したり、ストレッチを取り入れたりなど、日常のちょっとしたことでも改善できます。今回紹介した対処法をぜひ実践してみてください。

寒暖差疲労による眠気について教えてくれた方

薬剤師 西林 聡裕
 
1981年千葉県生まれ。薬学部卒業後、調剤薬局にて薬剤師として従事し、店長、管理薬剤師などを経験。その後、人々に合う真の健康を模索するため医療業界を多面的に活動。所有資格は、研修認定薬剤師、漢方薬・生薬認定薬剤師、公認スポーツファーマシスト、日本抗加齢医学会指導士、NR・サプリメントアドバイザーなど多数。現在、既存の医薬品だけでなく、日本古来の漢方薬から最新のサプリメントまで幅広い知識で各々に合う体調改善を提案し活躍中。
西林 聡裕
この記事を書いた人
ヨムーノ 編集部

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