猫の快適さを優先して暮らす部屋~人間はお猫様のしもべ~

  • 2023年06月27日更新

初めまして。ライターの姫野ケイです。

ライター

姫野ケイ
ライター。宮崎市出身。日本女子大学日本文学科卒。大学時代は出版社で編集のバイトをしつつ、ヴィジュアル系バンドの追っかけに明け暮れる。現在は雑誌やwebにて記事を執筆中。猫とビールが好き。
姫野ケイ

このたび、お部屋や暮らしについてコラムを書かせていただくことになりました。第1回目のテーマは「猫と暮らす部屋」です。

というのも、私は大の動物好き。特に猫が大好きで、愛猫の小雪さん(3歳・メス)と二人で暮らしております。幼い頃から猫を飼っていましたが、上京して一人暮らしを始め、あまりの深刻な猫不足により、3年前、猫を飼う決心をしました。

しかし、実家は田舎の一軒屋で、猫の出入りは家の中と外は自由という、昔ながらの猫の飼い方。世話をしていたのは両親です。東京のマンションで猫を飼うとなると、基本的には完全室内飼いで、いろいろと勝手が違います。そこで、半年間かけて猫と暮らす準備をしました。

猫飼育可の物件探し

フリーライターは通勤がないので、ある程度都心に出やすい場所であれば地域はどこでも良く、広範囲にわたってペット可物件を探しまくりました。しかし、すぐにペット可物件少な過ぎ問題にぶち当たります。

賃貸サイトで、希望の場所や家賃を入力して検索すると何百件も出てくるのに、ペット可という条件を入れるだけで、十数件にまで絞られてしまうのです。また、小型犬はOKでも猫はNGのところも多いです。

猫は壁や柱で爪を研ぐ習性や、トイレの臭いがキツいことを嫌う大家さんが多いのが、その理由です。しかし、爪研ぎ問題やトイレの臭い問題は、いくらでも解決法があり、それを知らない人が多いだけです。この点に関しましては後ほどご説明いたします。

物件探しの最中、希望条件に合う物件を見つけても、翌日には「すみません、既に埋まってしまいました」と、不動産屋から連絡が入ることが3件も立て続けに起こりました。(おそらく、この不動産屋は「おとり物件」を紹介していたのではないかと後になって気付きました。)その後、別の不動産屋でようやく、猫飼育可で全ての条件がぴったり合う物件を見つけられました。物件探しでは、本当に心が折れる思いをしましたね……。

【契約した物件のスペック】
間取り…1K(8畳のベッドルーム+3畳のキッチン、バス・トイレ別、オートロック付き)
家賃…8万円(ペット飼育時は敷金1ヶ月分)
ペット飼育の条件…小型犬か猫、1匹まで

引っ越し

様々なタイプの爪研ぎ

2013年9月に引っ越し、実際に猫を迎え入れたのは翌年2014年1月です。ペット飼育可物件に引っ越しましたが、まずは新しい土地に自分が慣れようと、半年間はペットのいない生活を送りました。

生き物はモノやオモチャではありません。犬や猫は20年近く生きることもあります。今後長く付き合っていくパートナーを迎え入れるために、じっくりと心と環境の準備を整えていくことにしたのです。

ペットを飼育する場合は敷金が1ヶ月かかる物件だったのですが、実際にペットを迎え入れてからの支払いということで、猫が来てから払いました。引っ越し自体にかかったお金は、礼金とその月の家賃、鍵交換代、クリーニング代、保険料、引っ越し業者代などを含め、約40万円でした。

猫飼育アイテム購入

新たな土地に慣れた頃、3ヶ月ほどかけて、猫を飼うのに必要なアイテムをそろえました。猫が部屋にいないのに、猫飼育アイテムがあると、猫を迎え入れるまでの間のわくわく感がさらに高まります。最初に用意したのは以下のものです。

・キャリー(約4,000円)
・猫用トイレ(約3,000円)
・猫砂(1袋 約500円)
・フード(2kg 約3,000円)
・キャットタワー(約2万円)
・フード用と水用の食器(合わせて約2,000円)
・爪研ぎ(ウォール型、ベッド型、置き型など、約5,000円)
・壁保護の半透明シール(1,000円)
・猫じゃらしなどのオモチャ(約500円)

当初かかった費用は合計3万9,000円ほど。その後、実際に猫を迎え入れてから、ケージが必要だと感じ、1万円ほどのケージを購入しました。トイレは大きなサイズのものを使っていたのですが、うちの子は小柄なため、深くて使いづらそうだったので、小さいサイズのトイレ(1,000円)をケージの中とケージの上に、計2ヶ所置くシステムにしました。

▲トイレはケージの中に1つ、上に1つ

猫にはそれぞれ猫アイテムの好みがあるので、とりあえず基本的なものをそろえたら、その子の好みに合わせて変えていくのが良いと思います。うちの子は脱走癖がありませんが、外の世界に興味を持っている子だと、窓には網戸用ストッパーや、天井まで突っ張るタイプのフェンスを玄関に取り付ける必要性がありそうです。

様々なタイプの爪研ぎ

▲様々なタイプの爪研ぎ

前述に、「壁や柱で爪を研いだり、トイレが臭ったりすることから猫を飼うのを嫌がる大家さんが多いが、対策法はある」と書きました。まず、壁や柱の傷予防ですが、保護シールを貼れば良いのです。私は、跡が残らずに剥がせるタイプのものを貼っています。シールのようにツルツルした場所では猫は爪を研ぎたがりません。

壁には保護シール

▲壁には保護シール

そして、トイレはこまめに掃除をし、消臭力の強い猫砂を使えば悪臭を予防できます。私は週1回、猫砂を全とっかえし、猫トイレ自体を丸洗いしています。

▲猫トイレはこまめに掃除を

猫選び

いつ猫が来ても良い状態にしてから、今後ずっと一緒に過ごす猫を選びに行きました。ペットショップやブリーダーさんから購入する手もありますが、私は実家でもずっと保護猫を飼っていたので、猫の保護・譲渡を行っているNPO法人東京キャットガーディアンから保護猫を譲ってもらいました。

お金さえ払えばすぐに猫が手に入るペットショップとは違い、保護猫を譲渡してももらう際は、猫の飼育経験や家族構成などを書類に記入し、面談を受け、里親としてふさわしいと判断されると、猫を引き取ることができます。また「終生飼育をします」という内容の契約書にもサインしました。

猫自体は無料ですが、猫の去勢・不妊治療代やワクチン代、ノミ・ダニ・寄生虫の駆除代は自己負担です。私の場合、3万8,000円を支払い、「この子だ!」とビビッと運命を感じた子を引き取りました。なお、譲渡にかかる費用は、保護団体によって違います。

人間の都合ではなく、猫の都合に合わせる!

猫と暮らし始めてから感じたのは、猫に振り回されることが多いこと。早朝は4時~5時頃に「腹が減ったー!」と、暴れて起こされます。

そして、寝ている間に机の上に出しっ放しの仕事の資料や雑誌などをビリビリに破られてしまうので、片付けるようになりました。うっかり出しっ放しにしておいた雑誌はこのざまです。

うっかり出しっ放しにしておいた雑誌

また、猫のために私が工夫していることを1つ挙げます。

ビニール袋のカサカサ音が好きな猫ちゃんは多いですが、うちの小雪さんはビニール袋を食べる癖があり、お腹を壊すことがあり、困っていました。そのため、ゴミ箱に被せていたビニール袋は全部外し、ゴミ箱が汚れたら洗うことに。しかし、生ゴミ入れのゴミ箱にはどうしてもビニール袋をかけておきたく……。

そこで思いついたのが、100均で売っているヘアバンドをゴミ箱の淵にかけて、ビニール袋を隠すこと。効果はてきめん。猫がビニール袋を誤飲することはなくなりました。

このままだとビニール袋を誤飲してしまう

▲このままだとビニール袋を誤飲してしまう

ヘアバンドをはめたらビニール袋が隠れる!

▲ヘアバンドをはめたらビニール袋が隠れる!

人間以上にかかる医療費

猫は人間よりも医療費がかかります。うちの小雪さんは、保護された時点で既に足の骨や骨盤など、11ヶ所の骨折があり、一生下半身麻痺と言われていましたが、奇跡的に歩けるようになりました。このケガのせいで骨の成長が止まっているのか、体が小さいようです。内臓もあまり強くなく、昨年は肝不全、今年に入ってからは尿結石と胃腸炎にかかっています。

ペット保険に入っているおかげで、自己負担は半額ですが、それでも一度病気にかかると治療費は合計5万円ほどかかります。幸い、まだ手術はしたことがありませんが、手術となると何十万円とかかってしまいます。

飼い猫の尿結石の開腹手術をしたことのある知人は、20万円かかったと言っていました。

体が強い子ですと、病院に行くのは年1回のワクチン接種と定期検診くらいですが、体質的に動物病院にお世話になることの多い子は、かなり医療費がかかることを覚悟しておかねばなりません。頑張ってお猫様のために稼ぎましょう。

とある日の治療費明細書

▲とある日の治療費明細書

お猫様の暮らしやすさを優先し、飼い主が我慢をしている部分も多くあります。部屋の半分はお猫様のアイテムで埋め尽くされていますしね。

現在の部屋の図。

▲現在の部屋の図。猫アイテムでいっぱい。猫テントや猫トンネルなど、猫が落ち着ける「暗くて狭い場所」アイテムも点在

また、夏場は熱中症予防に、エアコンは24時間、28度に設定して付けっぱなしです。(自分が暑いときは温度を下げますが、外出時も28度で設定)。エアコンは起動時にエネルギーを使うので、ずっと付けておく分には、電気代はたいして高くなりません。

生き物を飼うことは楽ではない

猫を飼うことで、気軽に旅行できないなど、制限されることやお金がかかってしまうことも多くありますが、かわいい我が子を見ていると、それでも良い、いや、それが良いと思えてきます。

今、猫ブームにより「犬のように散歩がいらないから飼育が楽!」と、猫は簡単に飼えるような報道されている場合があります。しかし、生き物ですので、飼うことは決して楽ではありません。

それでも、猫が側にいることにより、精神的にはとても潤うことをみなさんにお伝えしたいです。これからも私は、お猫様のしもべとして、精一杯尽くして参ります。

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