若い世代も注目!古い団地で快適生活

  • 2021年03月22日更新

老朽化・高齢化・過疎化が問題視されている昭和の「団地」。しかし、ここにきてあえて「団地」という選択肢に注目が!UR都市機構では、無印良品・イケアとのコラボでリノベーションを展開。子育て家族はじめ若い世代からのニーズが高まっています。さて、なぜ今「団地」なのでしょうか?

団地再生ムーブメントが活性化

高度経済成長期に全国で数多く建てられた団地。ダイニングキッチンにベランダ、水洗トイレ、浴室、といったつくりが、モダンな生活を夢見る当時の人々の憧れでした。しかし時が流れ、建物の老朽化だけでなく住人の高齢化や一人暮らし、過疎化など、現代では問題が山積。時代から取り残された感も否めません。そんな団地にも新しい波が押し寄せています。全国で大規模な団地再生プロジェクトが始動。緑多いのどかな環境・広い敷地・独特のノスタルジックさを大切に、廃墟とまでいわれた団地をみごと甦らせた例や、シェアハウス・共同住宅・高齢者住宅として現代のニーズに合った住まいへと変貌を遂げ、人気を博している団地も。興味深いところでは、UR都市機構が無印良品・イケアとのコラボによりリノベーションプロジェクトを展開。若い世代の心をつかむ試みに注目が集まっています。

古さを物ともしない環境の良さ

昭和40年代に建てられた横浜市の団地に住むAさんにお話を伺いました。「この団地は古いですが、それを物ともしない環境の良さがあります。低層の建物がゆったり配された広い敷地、手入れの行き届いた芝生、公園で遊ぶ子ども達の笑い声、そんなのどかな環境に魅了され、あえてここを選びました。部屋探しでは根気よく何軒も内覧。室内の設えや水まわりの劣化がひどく、ここでは暮らせないかもと思ったこともありましたが、センス良くリフォームされた現在の住まいに出会えてラッキーでした。住人の方々は、お風呂だけとかキッチンだけとか、断熱材を床や壁に施工するとか、それなりに手を加えながら経年劣化に対処している様子。思い切ったリノベーションで思いどおりの住まいに変身させ、快適な暮らしを楽しんでいるご家族も大勢います。レトロな感じがお洒落だし、釘など打ったりしても、古い物件なので大家さん側も気にしないゆるい感じが気軽でいいのか、近頃では子育て家族や若い人たちも増えてきています」。

生活に合わせた団地内住み替え

Aさんの団地では、住環境や居住者同士のつながりは何物にも代え難いと、団地内での住み替えも多いそう。「賃貸→購入→リノベーションといった具合に、家族構成やライフスタイルに合わせみなさん上手に暮らしています。子育てや高齢者にやさしい温存されたコミュニティ、朝は鳥の声で目を覚まし、木々の緑に癒され、餅つき大会など季節を感じるイベントをみんなで楽しむ。そんな人間らしい豊かな暮らしがここにはあります」とAさん。その言葉に、今あえて団地という選択肢が注目されている答えがあるような気がします。

この記事を書いた人
池内祥子

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