【痴漢を疑われたら?】弁護士が解説!身を守るための正しい対処法

  • 2026年10月28日公開

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こんにちは、ヨムーノ編集部です。

もしも、通勤中の満員電車で、突然「今、触りましたよね!」と声を上げられたら……。 まったく身に覚えがなくても、周囲から一斉に注目されるなかで、冷静に対応するのは難しいかもしれません。

「やっていません」とはっきり否定するべき?その場を離れてもいい?駅員や警察官から同行を求められたら?

今回は、そんな「もしも」のケースをもとに、株式会社BestOneの太田垣弁護士に、実際には痴漢行為をしていないのに疑われた場合、どのように対応すればよいのか教えていただきました。

※個別の事情によって判断が異なる場合があるため、実際のトラブルについては弁護士などの専門家にご相談ください。

【もしも、こんなことが起きたら?】「僕じゃない!」満員電車で突然、痴漢を疑われて…

※以下は、法律上の疑問を考えるために設定した架空のケースです。

通勤ラッシュの満員電車に乗っていたHさん。片手でつり革を握り、もう片方の手にはスマートフォンを持っていました。

すると突然、近くにいた女子高生が声を上げたのです。

「きゃあ!何するんですか!今、触りましたよね!」

「えっ、僕ですか!?触っていません!」

Hさんは慌てて否定しますが、女子高生は「絶対に触られました」と訴えています。

もちろん、Hさんには身に覚えがありません。

しかし、周囲の乗客から一斉に視線を向けられ、頭が真っ白に。

このまま否定し続けるべき?それとも黙っていたほうがいい?その場を離れたら、逃げたと思われるかもしれない……。

結局、Hさんは駅員に事情を説明することになりました。

もし、あなたがHさんの立場だったら、どうしますか?

身に覚えがないのに痴漢を疑われた場合、どう対応すればよいのか、太田垣弁護士に詳しく伺いました。

教えてくれたのは…株式会社BestOne 太田垣弁護士

  • 株式会社BestOne 弁護士・税理士 太田垣佳樹(おおたがき よしき)さん

東京大学法学部卒業。首都大学東京(現・東京都立大学)法科大学院修了。

2013年司法試験合格、2014年弁護士登録。Arden法律事務所の代表弁護士として、相続・不動産・企業法務を中心に幅広い案件を取り扱う。

2022年より東京都立大学法科大学院非常勤講師を務めるほか、2025年に税理士登録。

株式会社BestOne

※ここから紹介するのは、実際には痴漢行為をしていないにもかかわらず、疑いをかけられた場合の対応です。

痴漢行為をした人が、責任を逃れるための方法を紹介するものではありません。

実際に痴漢行為をした場合は、速やかに事実を認め、被害者への謝罪と被害弁償を尽くすことが、唯一の適切な対応です。

結論:痴漢を疑われたら「その場から逃げない」「やっていないと伝える」「安易に謝らない」!

痴漢を疑われた場合、その場での発言や行動が、その後の捜査や裁判に大きく影響することがあります。

太田垣弁護士によると、まず大切なのは、慌ててその場から逃げず、冷静に「やっていません」と明確に伝えることだそうです。

また、その場を収めようとして安易に謝ったり、誤解を招くような発言をしたりすることにも注意が必要とのこと。

痴漢を疑われたらどうする?弁護士が教える5つの対応

突然痴漢を疑われたとき、とっさに取った行動が、その後の状況に影響することもあります。

まずは、疑われた直後に「してよいこと・避けるべきこと」を太田垣弁護士に伺いました。

「怖くなって、その場から走って逃げる」のは?

太田垣弁護士:「最も避けるべき対応です」

逃走したという事実自体が、後に「やましいところがあったからだ」という推認の材料として扱われることがあります。

線路への飛び降りや階段からの転落による死傷事故も実際に起きており、列車を止めれば鉄道会社から遅延に伴う損害賠償を請求されることもあります。

「やっていません」と明確に否定するのは?

太田垣弁護士:「必要な対応です」

その場で否認しておかないと、後から否認に転じた際に「供述が変遷している」と評価されることがあります。

ただし、怒鳴ったり、相手を突き飛ばしたりする行為は、それ自体が暴行として別の問題を生みますので、冷静に、短く、繰り返し伝えてください。

申告してきた相手と直接話すのは?

太田垣弁護士:「避けてください」

感情的な口論になりやすいうえ、その場を収めようとして出た「すみません」「許してください」といった言葉が、後に自白したものとして扱われるおそれがあります。

金銭の話を持ちかけるのは、事実上の自白と受け取られかねません。

「駅員室へ来てください」と言われたら?

太田垣弁護士:「行くこと自体は差し支えありません。問題は、そこで何を話すかです」

駅員室へ行く法的義務はありませんが、拒み続ければ現行犯逮捕という形になることが多く、実益は乏しいのが実情です。移動したうえで「していません。弁護士に相談したいので、連絡させてください」と述べてください。

警察官から同行を求められたら?

太田垣弁護士:「断ることはできますが、断れば逮捕に切り替わることもあります」

逮捕されていなければ、出頭を断ることも、いつでも退去することもできます(刑事訴訟法198条1項但書)。

ただし、同行に応じるかどうか以上に重要なのは、その後の取調べで何を話し、どのような書類に署名するかという点です。

「早く帰りたいから認める」はダメ!取調べで最も注意したいこと

痴漢事件で最も多い後悔は、「早く帰りたい一心で、やっていないのに認めてしまった」というものです。

認めれば、その日のうちに帰宅できたり、罰金で終わったりすることがあります。

しかしそれは前科が付くということであり、職を失うなど、取り返しのつかない事態に発展しかねません。疑われた内容によっては、罰金では済まない罪に当たることもあります。

そして、いったん認めた供述を後から覆すことは、極めて困難です。

  • 供述したくないことは述べなくてよい権利があります(黙秘権。憲法38条1項、刑事訴訟法198条2項)。

  • 取調べの内容をまとめた供述調書には、署名も押印も拒むことができます(刑事訴訟法198条5項)。納得できない内容であれば署名しないでください。いったん署名した調書は、後に強力な証拠として使われます。

  • 「認めれば早く帰れる」という趣旨の説得を受けても、事実に反する内容を認めないでください。

「やっていないのに…」を防ぐために!早めに残しておきたい証拠

身に覚えがないことを示すためには、そのときの状況をできるだけ客観的に残しておくことも大切です。

疑われた直後に残しておきたい証拠について、具体的に見ていきましょう。

【録音】疑われた直後から、やり取りを残す

疑いをかけられた直後から、スマートフォンの録音を開始してください。

現場でのやり取り、駅員や警察官とのやり取りは、後に弁解の裏づけになります。自分が会話に加わっている場面の録音は、一般に違法ではありません。

【防犯カメラ】映像が消える前に、早めに保全を求める

駅構内・ホームや車内のカメラは、保存期間が数日から1か月程度と短いことが少なくありません。

手の位置や車内での立ち位置が映っている可能性がありますので、弁護人を通じて早期に保全を求める必要があります。時間との勝負です。

【目撃者】その場にいた人に声をかける

その場で「見ていた方はいらっしゃいませんか」と声をかけ、連絡先を伺えれば非常に有力です。実際には協力を得にくいのですが、試みる価値は十分にあります。

【自分の状況】手の位置や持ち物をすぐに記録する

両手にスマートフォンとかばんを持っていた、つり革につかまっていた、といった状況は重要です。

着ていた服、持ち物、乗車位置、時刻を、記憶が鮮明なうちにメモしてください。

【客観的な検査】付着物や繊維が証拠になることも

手指の付着物や被害者の衣服の繊維に関する検査が、弁解を裏づけることがあります。弁護人を通じて実施を求めることになります。

痴漢を疑われたら、弁護士にはいつ相談する?→「その場ですぐ」が最善

痴漢を疑われたときは、自分だけで判断せず、できるだけ早く弁護士に相談することも重要です。

では、どのタイミングで、どのように弁護士へ相談すればよいのでしょうか。

逮捕された場合は「当番弁護士」を呼べる

もし逮捕されてしまった場合には、「当番弁護士」を呼ぶことができます。初回の接見は無料です。

警察官に、「当番弁護士を呼んでください」と伝えてください。

「何を話せばいいのか分からない」「このまま取調べに応じて大丈夫なのか」と不安な状況でも、弁護士に相談することで、その後の対応について具体的なアドバイスを受けることができます。

家族から弁護士に連絡してもらうことも有効

逮捕されてから勾留するかどうかの判断が出るまでの間は、家族であっても面会できないのが通常です。

その期間に本人と会えるのは、弁護士(弁護人または弁護人になろうとする弁護士)だけです。

最初の数日間の対応が結論を大きく左右しますので、家族の側から弁護士に連絡していただくことも有効です。

身に覚えがなくても、慌てず冷静な対応を

突然、痴漢を疑われれば、動揺してしまうのも無理はありません。しかし、太田垣弁護士によると、その場から逃げたり、早く帰りたいからと事実と異なる内容を認めたりすることは避ける必要があります。

実際に痴漢行為をしていないのであれば、「やっていない」と明確に伝え、曖昧な言葉を使わないことが大切です。

また、疑われた直後のやり取りを録音したり、目撃者を探したり、自分の手の位置や持ち物などを記録したりすることが、後の弁解を裏づける材料になる場合もあります。

そして、できるだけ早い段階で弁護士に相談することも重要です。

万が一のときに慌てないためにも、「疑われたときにどう行動するか」をあらかじめ知っておきたいですね。

※一部AI画像を使用しています。

この記事を書いた人
ヨムーノ 編集部

「くらしをもっと楽しく!かしこく!」をコンセプトに、マニア発「今使えるトレンド情報」をお届け中!話題のショップからグルメ・家事・マネー・ファッション・エンタメまで、くらし全方位を網羅。

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