「いくらから申請できるの?」意外と知らない!医療費控除の押さえておきたいキホン【FP監修】
- 2025年07月13日公開

こんにちは、ヨムーノ編集部です。
「病院代が高かったけど、これって何か戻ってくるの?」
「医療費控除って聞いたことあるけど、自分に関係あるのかな?」
家族の通院や治療で出費がかさんだときに、ぜひ知っておきたいのが「医療費控除」です。
今回は、医療費控除のしくみと対象になる金額、申請のやり方や注意点までをやさしく解説します!
医療費控除ってなに?
医療費控除とは、1年間にかかった医療費が一定額を超えた場合に、所得税や住民税の一部が戻ってくる制度です。 自分や家族のために支払った医療費の一部が「所得控除」として認められることで、結果的に税金が安くなる仕組みです。
医療費控除の確定申告をして税務署に承認されると、所得税の一部が還付または減額となり、翌年度の住民税も減額になります。
いくらから申請できるの?
医療費控除の対象になる金額は、次の式で計算します(最高で200万円):
医療費控除の計算式
控除額 = その年実際に支払った医療費の合計額 ー 保険金などで補てんされる金額 ー 基準額
【基準額】
・その年の総所得金額等が200万円以上の場合:10万円
・その年の総所得金額等が200万円未満の場合:総所得金額等の5%の金額
よく言われる「年間の医療費が10万円を超えたら申請できる」というのは基本的に合っていますが、総所得金額等が200万円未満の人なら「所得の5%」を超えた分からが対象です。
参考:国税局「No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)」
(注)保険金などで補てんされる金額は、その給付の目的となった医療費の金額を限度として差し引きますので、引ききれない金額が生じた場合であっても他の医療費からは差し引きません。
対象になる費用・ならない費用
意外と知られていないのが、「医療費控除になる費用」と「ならない費用」の違いです。
■ 対象になる費用(OK)
- 病院での診療・治療費(内科・歯科・眼科など)
- 処方された薬代、治療に使った市販されている薬代
- 通院にかかった交通費(電車・バスなど)
- 入院時の部屋代(※差額ベッド代を除く)
- 出産にかかる費用(分娩費、検診代など)
※医師の指示や病院の都合(個室しか空いていない等)による差額ベッド代は対象となります。
■ 対象にならない費用(NG)
- 健康診断や人間ドック(※異常が見つかれば一部対象)
- 美容整形やホワイトニング
- サプリメントや市販の健康食品、予防や健康増進のための市販の薬代
- タクシー代(※原則は公共交通機関のみ対象)
- 差額ベッド代(本人希望による個室など)
※電車・バスなどの公共交通機関が利用できない場合、タクシー代は領収証を保管した上で例外的に認められるケースもあります。
参考:国税局「No.1126 医療費控除の対象となる入院費用の具体例」
参考:国税局「No.1122 医療費控除の対象となる医療費」
手続き方法と必要なもの
医療費控除は、確定申告によって手続きします。会社員の方も、この制度を使う場合は自分で申告が必要です。
必要なもの:
- 医療費通知(保険組合から届く明細)または領収書の一覧
- 医療費控除の明細書(国税庁HPまたは申告会場で記入)
- 確定申告書(e-Tax、または紙で提出)
※領収書の提出は不要ですが、5年間の保管義務があります。
【申告の期間】
通常は、翌年の2月中旬〜3月中旬に申告します。会社員などで年末調整を経てその他の収入がない場合の還付申告は翌年1月から可能です。また、過去5年以内であれば、該当する年の源泉徴収表と医療費の領収証等があれば、さかのぼって申請可能です!
注意点とよくある誤解
家族分も合算OK
生計を一にしていれば、配偶者・子ども・親などの医療費も合算して申告可能です。
通院交通費の記録を忘れずに!
公共交通機関を使った場合、行き先・交通手段・金額をメモしておくことが大切。Suica・ICOCAなどICカードを使った場合は、履歴を印刷しておくと安心です。
高額療養費と併用できる?
できます!
ただし、高額療養費制度で戻ってきた分は「補てんされた金額」として差し引かれます。その差し引いた後の金額が控除の対象となります。
まとめ
医療費控除は、「たくさんお金を使って大変だった……」という年に、税金を取り戻せる大切な制度です。 申請のハードルは高く感じますが、やってみると意外と簡単で、医療費が多くかかった年には、数万円単位で戻ってくることもあります。
医療費のレシートはまとめて保管しておき、家族分も合わせてしっかりチェックしてみましょう!
【この記事の監修者:ファイナンシャルプランナー・大野高志さん】
- 1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP®(日本FP協会認定)。独立系FP事務所・株式会社とし生活設計 代表取締役。予備校チューター、地方公務員、金融機関勤務を経て2011年に独立。教育費・老後資金準備、税や社会保障、住宅ローンや保険の見直し、貯蓄・資産運用等多角的にライフプランの個別相談を行うとともにセミナー講師として活動しています。

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