保育士が解説!保育園見学の電話のかけ方|マナーや会話例など失敗しないコツを解説
- 2023年01月11日更新
保育園見学は、保育園選びのなかでもっとも重要なイベントの1つです。見学が必須であるかどうかは保育園によって異なるので、事前に調べておきましょう。
仮に任意だったとしても、わが子を預ける環境は実際にママ・パパの目で見ておきたいもの。見学予約の電話で失敗しないコツを、保育士経験を持つライターが保育園側の事情も踏まえながら解説します。
保育園見学をしないで入園するのはあり?
見学をせずに入園できる保育園があるのも事実。一方で、見学を入園申し込みの条件としている保育園もあります。いずれにしても、子どもが過ごすことになる環境の設備や雰囲気、保育士さんたちの印象は知っておくと安心です。
子ども自身が毎日笑顔で通える保育園選びのために、できる限り見学して情報を得ておくことをおすすめします。
保育園の見学は電話で申し込み!かけてもよい時間帯は?
保育園見学の申し込みは電話が基本。絶対にかけてはいけない時間はありませんが、少しでも保育園の余裕がある時間に申し込むことで、落ち着いたやり取りができます。
おすすめの時間帯は、9時30分~11時頃と13時~15時頃。午前の活動時間は園長や主任が対応できる場合が多く、お昼寝の時間は保育園全体が落ち着いているので狙い目です。
土曜日は対応できる職員がいない可能性もあるので、平日にかけるようにしましょう。
見学予約の際に電話で聞いておくべきこと
見学予約の電話で確認したいことは、事前にリスト化しておくと便利。あれもこれもとバラバラに質問せずにすむよう、項目ごとにまとめておくとすっきりします。
定員の空きはもっとも気になることだと思いますが、自治体の管理である場合は現場の職員からは答えられないことになっています。電話では、見学そのものに関する疑問点を解消するようにしましょう。
見学人数
感染症対策として、1日の見学人数を制限している保育園も多くあります。通常生活を送っている園児たちへの影響もあるので、保育園としても来園人数は把握しておきたいもの。
入園予定の子ども本人も、連れてきて良いか尋ねておくといいでしょう。子どもの反応も見ながら見学できるのが理想的です。
見学当日のスケジュール
見学時間によって、見学できる内容も変わります。開始時刻や所要時間とともに、実際にどのような活動の様子を見られるのか確認しておきましょう。園外に行ってしまうお散歩や、お昼寝の時間にはふだんの活動の様子を見ることはできません。
園児たちの姿、保育士さんたちの関わりなどをしっかりと見れるよう、1日のどの場面を見学できるのか知っておくことが大切です。
見学当日の持ち物
見学に必要な持ち物も確認しておきましょう。メモやペン、スリッパに加えて、必要な書類がある場合も。子どもを連れて行くなら、子どもの持ち物も相談しておくと安心です。
お菓子類は保育園のアレルギー対策の観点から持ち込みNGの場合がほとんどなので、持ち込んではいけない物も併せて確認するようにしましょう。
見学時の来園手段
駐輪場や駐車場、ベビーカー置き場が使えるかどうかの確認も忘れずに。そもそも存在しなかったり使用が難しい場合には、歩いて行くことや、近隣のパーキングを使用することも検討しましょう。
利用できる場合でも、登降園の時間帯は避けるように案内されることも。
どんな交通手段で行くのか、事前に伝えて相談しておくことが大切です。見学日当日には、実際に通う時の予行練習のつもりで行ってみましょう。
【会話例】保育園見学申し込みの電話のやりとり
園「こんにちは。〇〇保育園の〇〇でございます」
見学者「お忙しいところ失礼します。〇〇保育園に入園を検討している〇〇と申します。保育園の見学をすることは可能でしょうか」
園「見学ですね、大丈夫ですよ。平日の10時頃にご案内できますが、ご希望の日にちはありますか?」
見学者「〇月に入園を希望しているので、今月か来月にお願いしたいです」
園「かしこまりました。来月からは園児たちの行事の準備も始まりますので、ふだんの遊びの様子をご覧いただける今週と来週はいかがでしょうか。来週の火曜日と水曜日でしたら、比較的スムーズにご案内できます」
見学者「それでは、来週水曜日の10時にお願いしたいです」
園「承知いたしました。見学に際し、お子さまの月齢を教えていただけますか?」
見学者「〇〇年〇月生まれの、〇歳〇ヶ月です」
園「ありがとうございます」
見学者「子どものほかに、父親もいっしょに見学したいと考えているのですが大丈夫ですか?」
園「3人でのご見学ですね。承知いたしました。スリッパが必要であれば、ご自身でお持ちいただければと思います」
見学者「ほかに必要な持ち物や、持ってきてはいけない物はありますか?」
園「メモやペンをお持ちになる方が多くいらっしゃいます。園児の姿が写らない形でしたら、その場で施設の写真を撮っていただいても構いませんよ。お子さまもいらっしゃるということですが、お菓子などは、アレルギーを持つ園児もいますのでご遠慮いただいております」
見学者「分かりました」
園「ほかにご質問はありますか?」
見学者「車で行くか歩いて行くか迷っているのですが、保育園の駐車場を使うことはできますか?」
園「大丈夫ですよ。ご見学時間が10時からなので問題ないと思いますが、登園児の多い9時30分頃まではご来園を控えていただくと、ゆとりを持ってお越しいただけると思います」
見学者「ありがとうございます。それでは、来週水曜日の10時に、おやこ3人で伺いたいと思います。当日はよろしくお願いいたします」
園「こちらこそ、よろしくお願いいたします。お気をつけてお越しください」
【電話をするときのポイント】
- 名前と要件を最初にはっきりと伝える
- 子どもが落ち着いている時など、静かな環境で掛ける
- 折り返してもらう際は、出られる時間帯も伝える
- 候補日をゆだねられる場合もあるので、ある程度の希望日を考えておく
保育園見学に関するQ&A
ママ・パパの保育園見学に関する素朴な疑問に保育士視点からお答えします!
Q.土曜日に見学してもいい?
A.見学を受け入れている場合は、もちろん可能です。しかし、平日と土曜日の保育はまったくの別物と捉えたほうがいいでしょう。
月齢ごとのクラスで分かれて過ごす平日に対し、土曜日は登園人数も少ないため異年齢の子どもたちが合同で過ごすパターンが多いです。担任の保育士といつもの活動を楽しんでいる園児の姿を見るためには、断然平日がおすすめ。
Q.見学は1園だけでいい?
A.仕事復帰に向けて忙しい中、見学の予定を入れることもひと苦労。しかし、保育園見学は最低2園以上行うことをおすすめします。
特に初めての保育園であれば、保育園として一般的な配慮に対しても独自の魅力だと感じてしまうことがあります。比較検討するためにも、複数の保育園を見学するようにしましょう。より魅力を感じる保育園と出会える可能性が、ぐっと高まります。
Q.おすすめの見学ポイントとは?
A.私がおすすめしたい見学ポイントは、子どもたち自身の言葉や友だちへの関わりです。
家庭や園で掛けられる言葉をダイレクトに受け止め、自分でも発音し始める0・1歳児。行動にも表れてくる2・3歳児。今まで自分がされてきたことを友だちにもするようになる4・5歳児。それぞれの発達に合わせて子ども同士の関わりが見られます。
保育士たちのふだんの関わりが、子どもたちの姿となって表れることを知っておくと新しい見方ができるでしょう。
また、子どもだけでなく大人の笑い声が聞こえてくるのも魅力的な保育園の証。保育士どうしの雰囲気が明るいことで初めて、子どもの安全は守られます。
保育園の見学はいつ頃行けば良い?
A.多くの保育園は、見学を随時受け付けています。基本的に自分自身の保活スケジュールに合わせて予定を組み立てるといいでしょう。ただし、新年度の4月やGW明けの5月は、園児たちも保育園に慣れることに精一杯。この時期の姿はあまり参考にならないことも多いです。
そして何より、ここへ見慣れない人がやって来ることは園児たちの気持ちをさらに不安定にさせることにほかなりません。同様に、年度末の3月も進級に向けてそれぞれのクラスが慌ただしく過ごしているので見学には適しません。
また、土曜日やお盆時期・年末年始は、登園児が少なく通常の保育を見られない可能性もあります。これらの時期を避けて、見学時期を検討してみてください。
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保育園見学でおすすめの時間帯は?
A.保育園から見学時間の指定がない場合は、こちらから希望の時間帯を伝えます。時間帯は、見学の目的や見たいポイントに合わせて決めましょう。
1日の主となる活動で子どもたちの様子や保育士の動きを見たい場合は9時30分~11時頃がおすすめ。給食の配膳方法や食で大切にしていることを見たい場合は11時~13時頃。
乳幼児突然死症候群(SIDS)の対策などを見たい場合は、お昼寝中の13時~15時頃を希望しましょう。もちろん時間で伝えてもよいですが、「メインの活動の時間を見たいのですが」などと伝えると、具体的な時間帯を案内してもらえることも。
保育園を見学するときのポイントは?
保育園見学は貴重な機会。限られた時間の中でその保育園のことをしっかりと知るためには、見るポイントを押さえておく必要があります。当日慌てないように、見ておきたいポイントは事前にまとめておきましょう。
- 子どもたちがのびのびと遊んでいるか(表情や雰囲気)
- 保育士さんたちが子どもたちにどう関わっているか(姿勢や表情、言葉遣い)
- 設備は整っているか(遊具の個数や、階段などの清潔さ)
***
大切なわが子を預ける保育園選び。子ども自身が毎日笑顔で通い、ママやパパが安心して働けるためには絶対に失敗したくないものです。何事も始めが肝心。保育園見学の電話を掛ける際には、メモを準備しておきましょう。ぜひ今回の記事も参考にしながら、電話のメモを作成したり、見学で見ておきたいポイントをまとめたりしてみてください!
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