「4人に1人は、隣人の顔を知らない」という実態。
- 2021年03月22日更新
最近、核家族や一人暮らしの世帯が増えたり、ライフスタイルが多様化し、地域や家族間の繋がりが薄くになりつつあります。それに伴って高齢者の孤独死なども増加し、社会問題化しています。SNSなどの普及によりネット上での繋がりは増えていますが、リアルでは「無縁社会化」が起きているのではないでしょうか。
今回、オウチーノ総研(株式会社オウチーノ/本社:東京都港区/代表:井端純一)は、首都圏在住の20歳以上の未婚男女861名を対象に、「『縁』に関するアンケート調査」を行いました。はじめに、「あなたの家の隣に住んでいる人のことを知っていますか?」と聞いたところ、「頻繁に会う・話をする」という人は4.8%、「時々会う・話をする」という人は10.0%、「会うと挨拶をする程度」という人は47.7%、「顔は知っているが、話したことはない」という人は9.8%、「知らない」という人は27.8%でした。4人に1人は、隣に住んでいる人の顔を知らないようです。次に、「自分に何かあったとき(トラブル、天災、病気など)、近くに頼れる人はいますか?」と聞いところ、62.3%が近くに頼れる人は「ほとんどいない」もしくは「全くいない」と回答しました。最後に、「現代は『無縁社会』だと感じますか?」と聞いた。結果、47.1%が「とてもそう感じる」もしくは「まあまあそう感じる」と回答しました。
4人に1人は、隣人の顔を知らない!
はじめに、「あなたの家の隣に住んでいる人のことを知っていますか?」という質問をしました。「頻繁に会う・話をする」という人は4.8%、「時々会う・話をする」という人は10.0%、「会うと挨拶をする程度」という人は47.6%、「顔は知っているが、話したことはない」という人は9.8%、「知らない」という人は27.8%で、4人に1人は、隣に住んでいる人の顔も知らないことが分かりました。
年代別に、「顔は知っているが、話したことはない」、「知らない」と回答した、普段隣人とコミュニケーションをとらない人の割合を見ると、20代が42.8%、30代が49.4%、40代が39.5%、50代が33.7%、60代以上が22.1%でした。年配の方は、まだまだ昔ながらの近所付き合いをしている人が多いのかもしれません。
「頻繁に会う・話をする」、「時々会う・話をする」と回答した人に理由を聞いたところ、最も多かったのは、「生活時間帯が同じだから」という理由でした。具体的には、「普段から、家の周りの掃除などで顔を合わせる機会が多いから」(60歳/男性)や「朝、出勤が同じ時間帯だから」(55歳/女性)などが挙がりました。次いで「長い付き合いだから」という理由が多く、「昔から住んでいる場所のため、子どものころから知り合いだから」(33歳/女性)や「60年来の隣人だから」(61歳/男性)などが具体的に挙がりました。他には「町内会・自治会などのメンバーだから」(29歳/女性)なども多くありました。
「会うと挨拶をする程度」という人の理由で最も多かったのは、「生活リズムが会わないから」。具体的には、「帰宅時間が遅いため、なかなか親しくはなれないから」(42歳/女性)などが挙がりました。続いて「仲が悪い、トラブルが起きたから」が多く、例えば「オープンハウスパーティーに誘ったが断られた。不満があるとポストイットで連絡してくる」(55歳/女性)などの声が聞かれました。
「顔は知っているが、話したことはない」と回答した理由は、「仲が悪い、トラブルが起きたから」が最も多く、「おしゃべりな人で、すぐ噂を流し、またおせっかいと有名なため、関わりたくない」(22歳/女性)などが具体的に聞かれました。隣人のことを「知らない」という人の理由は、「機会がないから」が最も多く、「特に交流する機会がないから」(28歳/女性)などが挙がりました。他には、「興味、関心がない」(29歳/女性)や、「生活時間帯が違うから」(38歳/女性)などの理由もありました。
62.3%は、何かあったとき、近くに頼れる人がいない!
次に、「自分に何かあったとき(トラブル、天災、病気など)、近くに頼れる人はいますか?」と聞きました。結果、「たくさんいる」と回答した人は3.9%、「何人かいる」は33.8%、「ほとんどいない」は18.1%、「全くいない」は44.2%でした。「ほとんどいない」もしくは「全くいない」と回答した人を合わせると、62.3%が、何かあったときに近くに頼れる人がいないようです。
男女別に見ると、男性で、近くに頼れる人がいない、という人は67.3%、女性は57.2%。男女間で約10%もの差が生じました。また、年代別に見ると、20代は67.1%、30代は69.8%、40代は63.4%、50代は63.4%、60代以上は47.7%と、60代以上のみが半数を下回りました。60代以上は、普段から隣人とコミュニケーションをとっている人が多いことも、大きな要因でしょう。
また、「たくさんいる」、「何人かいる」、「ほとんどいない」と回答した人に、「頼れる人」はどのような繋がりの人かを聞いたところ、「友人」が最も多く20.4%、次いで「隣人、近所の住人」が13.1%、「両親」が12.5%、「兄弟・姉妹」が11.0%、「親戚」が9.4%、「仕事関係、同僚」が5.5%、「恋人」が2.5%と続きました。「友人」でも特に「地元の友人」という回答が多く、長年の付き合いがある人同士の縁は深いようです。
17.9%は、両親・兄弟姉妹がいない、もしくは疎遠に。
次に、「両親や兄弟姉妹と会う頻度、連絡をとる頻度はどれくらいですか?」という質問をしました。結果、両親と「毎日会う」という人が39.4%、「毎週会う」が4.3%、「毎月会う」が7.3%、「年に数えるほどしか会わない」が19.9%、「数えるほども会わない」が8.4%、「両親はいない」が20.7%でした。両親と「毎日連絡をとる」という人は29.2%、「毎週連絡をとる」は12.9%、「毎月連絡をとる」は14.0%、「年に数えるほどしか連絡をとらない」は13.4%、「数えるほどもとらない」は9.8%。一方、兄弟姉妹と「毎日会う」という人は17.1%、「毎週会う」は6.5%、「毎月会う」は9.2%、「年に数えるほどしか会わない」は30.8%、「数えるほども会わない」は18.2%、「兄弟姉妹はいない」は18.2%。兄弟姉妹と「毎日連絡をとる」という人は10.3%、「毎週連絡をとる」が9.9%、「毎月連絡をとる」が14.4%、「年に数えるほどしか連絡をとらない」が27.3%、「数えるほどもとらない」が19.9%でした。17.9%は、両親・兄弟姉妹がいない、もしくはいたとしても年にわずかしか連絡をとらないと回答し、家族と疎遠な状態にあることが分かりました。
47.1%が、現代は「無縁社会」だと感じている!
最後に、「現代は『無縁社会』だと感じますか?」という質問をしました。結果、「とてもそう感じる」と回答した人が14.2%、「まあまあそう感じる」が32.9%、「あまりそう感じない」が14.3%、「全くそう感じない」が3.0%、「分からない」が35.6%でした。「とてもそう感じる」と、「まあまあそう感じる」を合わせると、47.1%が、現代は「無縁社会」だと感じていると答えました。
「無縁社会」だと感じる理由を聞くと、「他人に干渉しない人、個人主義な人が増えたから」という声が最も多く挙がりました。具体的には「個人の生活を大切にしてきた結果だと思う」(47歳/男性)や「自分やごく親しい人以外に対して無関心な傾向があるから」(63歳/女性)、「ドライな関係が多くなっているから」(29歳/女性)などの意見がありました。次いで、「トラブルや事件・犯罪が多いから」という理由が多く挙がり、具体的には「犯罪も多く、知らない人はあまり信頼できないから」(28歳/女性)や「個人情報が話題に出てきてから特にそう感じる」(24歳/女性)などの声が聞かれました。他には「昔と比べるとそう感じるから」という声や「都会だから」という声も多く、例えば、「昔ほど近隣が協力して何かをやるといったことがなくなったから」(60歳/男性)や「東京のマンション住まいは、無縁社会はつきものだと分かりつつ、利便性を選択したものだから」(61歳/女性)などの声が聞かれました。
「無縁社会」だと感じないと回答した人にも理由を聞きました。最も多かったのは「自分の周りは無縁ではないから」という理由。具体的には「昔から住んでいる人ばかりだから」(61歳/女性)や「他人同士では希薄だと感じることもあるが、家族や友人間ではまだまだ捨てたものではないから」(50歳/男性)などが挙がりました。次に「自分次第だから」という理由が多く、「縁を作るかどうかはその人次第であって、社会がその責任を負うことはないと思うから」(38歳/男性)や「自らが他人と付き合おうとすれば無縁ではなくなるから」(48歳/女性)などの声が聞かれました。他には「縁のかたちが変わった」という声も多く、例えば「インターネットを通じてなど、昔と形は変わったが、人と人との繋がり自体は多いから」(32歳/男性)などが挙がりました。
※調査概要
有効回答 首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)在住 20歳以上の未婚男女861名(学生は除く)
調査方法 インターネットによるアンケート調査
調査期間 2015年7月9日(木)~7月12日(日)
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