【連載】”自分で家を建てる”って何からやるの?「ぼうけん」の準備編「セルフビルド冒険の書Vol.2」@千葉県長柄町
- 2023年03月10日更新
こんにちは、木こりの源です。
木こりでも大工でもなかった”レベル1のど素人”が、木を伐って、加工して、家を建てる!と無謀にやり始めたものだから、そりゃ大変!
師匠に怒られ、最初はボッチで、やっとできた仲間にはなじられ、失敗を積み重ね…。
5年かけてやっと完成するまでの、貴重なノウハウをここに記していきます。
⇨連載第1回はこちら
連載2回目は、家建ての第1歩「ぼうけん」の準備編です!
家を建てるって何からやるの?
さあ、勇者よ。「木こり」となって、自ら伐った木で家を建てよ!
チャンチャ、チャンチャンチャンチャンチャンチャー♪
…と、その前に。
少なくともこの3つの準備をしないと、「ぼうけん」は始められません。
1)建てる場所を決める(町人の話をきく)
2)協力者を探す(酒場で仲間を集める)
3)道具をそろえる(武器や道具をそろえる)
というわけで、まずはセルフビルドを始めるにあたってどんな準備をしたのか、僕の体験をお話しします。
1)建てる場所を決める(町人の話をきく)
・探し方
僕は、まずネットの不動産検索で、自分の土地勘があるところ周辺を探しました。
不動産情報サイトで探すのはもちろん、各自治体にはネット上で空き家バンクを運営しているところもあります。
我が長柄町では、役場に移住定住ブースがあり、対面で相談にのってもらえます。
自称”日本一かわいい”移住定住ブース
場所の目星がついたら、その土地の近所の人からも、災害が起きやすいかどうかなど、直接聞いたりするのも良いでしょう。
僕の土地は裏が川でしたので、隣人に水害の経験が無いか聞きました。
十数年前に1回、少し氾濫した事があったが家に影響を及ぼす事はなかったとの情報通り、2019年の台風直撃でも、川は氾濫しましたが、家の基礎の下で止まってくれました。
氾濫前の裏の川
氾濫した川の恐怖たるや…
また、隣人トラブルが無いように、ヒアリングしながら隣人の人柄を確認しておくのも重要です。
・水道が大事
実は、事前にチェックしておきたい最大のポイントは、水道が来ているかどうか。
僕は、探した土地管轄の水道局に行って「水道管管網図」を見せてもらい、対象となる土地の目の前に水道管が来ているか確認しました。
水道管管網図
水道の引き込み工事が必要になると、費用が高いので、しっかり情報収集しておくことが大事!
水道が引き込まれている土地は、その分価格が高いので、それも考慮して土地を検討しましょう。
2)協力者を探す(酒場で仲間を集める)
セルフビルドするとはいえ、さすがに自分では無理と思ったものはツテで協力者を探しました。
・設計
まず、家は設計図が無いと建てられません。
僕は大工の師匠でもある、2級建築士の松本透亮さんにお願いしています。
だいたいの土地は、建築確認申請を行わなくてはならないために、建築士の設計が必要となります。
我が家の平面図
ちなみに長柄町は、全域が市街化調整区域外なので建築確認申請が必要なく工事届けだけで家が建てられる、新築を立てるには有利な町と言えます。
ただ僕は、建築基準を満たした家を作ることにこだわっています。
満たさない家は、不動産としての価値が無いものになってしまうからです。
・基礎
できあがった設計図を元に、基礎、水道、電気もプロにお願いしました。
基礎は、文字通り家の下支えをするもの。
鉄筋とコンクリートを型枠に流して作りますが、これは松本師匠も専門業者に任せているとのことでしたので、僕もお願いしました。
・水道
水道は、上水と下水があり、上水は公共の上水道につながなければならなく、漏水等があると大変な事になります。
下水もつなぎや管の勾配の取り方が甘い等が原因で、漏水や水が流れない、なんてことがあると最悪の結果になるとのことで、水道設備屋さんにお任せしました。
・電気
電気についても、電柱から電線を引っ張ったり、配線するのに電気工事士が必要になります。
間違った配線やつなぎをすると火災の原因にもなりますので、電気設備屋さんにお任せしました。
3)道具をそろえる(武器や道具をそろえる)
建てる場所を決めて、協力者を集めたら、家を建てるのに使う道具をそろえます。
完成までには、たくさんの道具が必要なのですが、今は最初にそろえた代表的なものだけご紹介しておきます。
・チェーンソー
木を伐るには、チェーンソーが必要です。
新品で約8万円のところを、僕はヤフオクで新古品のチェーンソーを1万円くらい安く買いました。
たくさんの丸太を伐り出して来なければならないので、高いけれど林業用のチェーンソーを買いました。
ヤフオク等で中古品を買うのはガチャを引くようなものなので、できれば新品を買う事をオススメします。
つい、安さに負けてしまうのですが…(笑) 。
松本師匠にまずそろえた方が良い物を聞いたところ、最初は丸太の加工をするために、丸のことノミが必要ということでした。
・丸のこ
当時まだ、丸のこはコード式のタイプが多く使われており、松本師匠達もそれを使っていましたので、僕もコード式に。
プロ用丸のこを、ネットの一番安い店で2万5,000円弱で買いました。
今では、バッテリータイプが進化して36ボルトが主流になり、コード式よりパワーがあると感じる程になりました。
・ノミ
ノミは、「追入れノミ」という種類の、小さめのものをネットで買いました。
刃幅の寸法は、8分(24mm)と1寸(30mm)の2種類をそろえた方が良いとのことでした。
今考えると、小さい追入れノミだけで丸太加工をしたのは、無知の無謀さです。
「叩きノミ」という大きいノミを使い出したら、二度と追入れノミには戻れません(笑)。
左:叩きノミ 右:追入れノミ
大工さんは通常、使う道具の貸し借りはしないとのこと、特に刃物は慎重に扱うとのことだったので、丸のことノミを最初にそろえさせられたのだと思います。
後は、自分で作業しているうちに欲しいと思う道具が出てくるから、徐々に買いそろえれば良いとのことでした。
その通り、やりだしたら欲しい道具が出てくるわ、出てくるわ…。
ラスボスを倒すには、いろいろな道具が必要ってことですね!
以上で「ぼうけん」の準備完了!
これから始まる「ぼうけん」の予告編をチラリとお見せしておきます。
■ビルドクエスト ストーリー
第1章 木を伐る!
第2章 丸太刻み
第3章 建て方
第4章 外装
第5章 内装
クリア
今回は、ここまでで
Save
次回は、「木を伐る!」編へ
To Be Continued
2017年より、NPO法人ふるさとネッツの理事となり、荒廃林を自ら整備して排出された杉材を使いログハウスをセルフビルド。 このノウハウを活かして、現在は東京と千葉を往復する2拠点生活を実践しながら、「セルフビルドサポーター」の資格制度を作り、多くの地方がめざす地域創生を「林業」から実現する日本初のモデルとなるべく邁進中。
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