【新連載】レベル1のど素人、木こりになる!5年でログハウスを建てた”無謀な旅”の始まり〜「セルフビルド冒険の書Vol.1」
- 2022年11月03日更新
こんにちは、木こりの源です。
突然ですが、家って人生最大の買い物って思ってませんか?
はっきり言って、そんなのもったいない!
実は、家って自分で建てられるんですよ。
家を建てる事を「人生最高の体験」にすることができるんです。
なんでここまでオススメするかっていうと、僕自身がログハウスをセルフビルドしたから。
木こりでも大工でもなかった”レベル1のど素人”が、木を伐って、加工して、家を建てる!と無謀にやり始めたものだから、そりゃ大変!
師匠に怒られ、最初はボッチで、やっとできた仲間にはなじられ、失敗を積み重ね…。
やっとの思いで5年かけて完成。
その貴重なノウハウを、ここに記していきたいと思います。
木こりの源ってだれ?
東京と千葉の2拠点居住で、都内では映像制作やイベント企画運営の会社をやっています。
思いもよらないきっかけで木こりになり、木を伐れるようになったことから、伐った木でログハウスを自分で建てよう、と思い立ちました。
それが縁で「セルフビルドで長柄町(ながらまち)の町おこし」プロジェクトをすることに。 千葉県の真ん中に位置する長柄町には、2つの大きな問題があります。
1)通り過ぎる町
海ない、名産ない、駅ない、バスがたまーに走ってる…。
そんな里山と田んぼしかない、外房に向けての”通り道”の町。
毎年人口が100名ずつ減っていく町をどうやって盛り上げるか?
2)荒廃した杉林の活用
戦後、国策で植林された杉は、経済的に合わないという理由で間伐されず、伐期がきても放置されており、台風等で倒れて電線を切り、災害復旧を遅らせる原因になっています。
この杉林を整備しながら、眠っている杉材を有効利用するにはどうすれば良いか?
この2つの課題を、セルフビルドで楽しく解決したいと思っています。
伐木をスポーツやゲームのように楽しみ、その木でログハウスをセルフビルドする。そして、セルフビルドを通して、交流人口を増やすことを目指しています。
通り過ぎる町と呼ばれる長柄町
まずは、荒廃林の杉を伐って長柄町のバス停を作り、今はセルフビルドを広めるべく、ヨムーノDIY女子部など、「女性のチカラでゼロから家づくり」プロジェクトに取り組んでいます。
▶︎ヨムーノDIY女子部の活動レポートはこちら
長柄町役場内のバス停
なんでセルフビルドすることになったのか?
よく「なんで家を建てようと思ったんですか?」と聞かれます。
愚問!!圧倒的愚問!
そんなの決まってんじゃん!
「建ててみたかったから!」
千葉大学が国から委託された林業プロジェクトに広報として関わり、木こりの師匠から「広報をやるからにはチェーンソーくらい体験しないと」と言われ講習を受けたところから、僕の職業「木こり」がスタートしました。
全く木こりに興味がなかった僕が、やってみたら、20m以上ある物体(木)を狙った所に倒すという快感と、チェーンソーと言う大ざっぱ過ぎる道具で物理学を体現する戦略性に、ゲームやスポーツ感覚でドハマりました。
で、2015年ごろ、針葉樹、広葉樹合わせて1,000本以上の伐木を経験し、特殊伐採(樹上での伐採)等の経験も積み…。
木をそこそこ伐れる様になっていた僕は、伐った木でログハウスを作りたいと思い立ち、知人のツテでベテランログビルダーの「松本透亮(ゆきふさ)」氏に出会い師事します。
松本透亮師匠
そこから始まった、無謀すぎる家づくりの「冒険の書」をちょっとご紹介します。
“レベル1ど素人”が「伐採から家づくり」完成するまでダイジェスト公開
1)プロローグ
伐った木をただ燃やしてしまうのはもったいない!これでログハウスを作れないかなと思い立ち、丸のこもノミも持った事のない大工”レベル1のど素人”が、松本師匠に、
ありったけの〜金を(300万円)をかき集め〜♪、ログハウスを〜建てたいと〜言う〜♪
「素人が立ち入っちゃいけねー、領域があるんだよ!」と言われ一蹴。
当然でした、家をつくるには、材料費だけでもその2倍以上かかったのですから。
とはいえ、何も知らないのが、"レベル1ど素人"の強み。
その後もあきらめずに、何回も「やっぱり家をつくりたいんです!」と押しかけると、松本師匠もさすがに「じゃ、できるところからやってみたら」と言ってくれました。
松本師匠のお力で、ようやくスタートラインに立てたのです。
まずは、材料となる丸太を集めるところから。これは木こりの仲間が協力してくれ、2つの現場から100本程の丸太を伐り出しました。めちゃ大変な集材作業も、仲間と重機のお陰で、意外とスムーズに集めることができました。
2)”クエストⅠ”は、やっぱりソロプレイ
そこから丸太の刻み作業が大変でした。約100本の丸太を、丸のこやノミなんて持ったことない"レベル1ど素人"の僕が、ほぼ1人で加工していくんです。
1日かかっても、仕上げるのに約2〜3本がせいぜい…。
仲間もいなかった僕は、たまに都内から手伝いに来てもらえることはあっても、ほぼ山奥の製材所の一角でポツンと1人で作業を続けました。
都内からイの一番に駆けつけてくれた盟友、齋藤まさる さん
半年にわたる、まさに死闘。ソロプレイは、”やくそう”を使うのも、1ターン使うのです…。
まるでレベル上げ作業、ソロの大変さを思い知りながら半年かけ刻みを終えました。
そこから、家の骨組みを作る「建方(たてかた)」に入るのですが、それも、たまに手伝いに来てくれる都内の友人がいただけで、大変苦労しました。
松本師匠の名言「建方までは方程式がある」の通り、教科書では習えない現場対応のノウハウを多々学ぶことができました。
3)理不尽に怒る王様
「おお、げんよ!しんでしまうとはなにごとだ!」
と、王様に理不尽に怒られた事がある人は多いはず。
何をやったら良いか右も左もわからない僕は、「段取りが悪い!」と何度も松本師匠をいら立たせてしまいました。
いやいや、段取りゆーても、初めてのことで、次何をやったら良いか全然わからないっす…。
そこはこらえて「はい!すいません!」と謝り続けて、何とか完成まで面倒を見ていただきました。
今考えると、松本師匠はほぼボランティアで手伝ってくれていたので、なんて寛大で面倒見が良い人だったんだろうと思います。
松本師匠、土台に立つ!
4)金欠期
冒険の途中は装備を買うのにお金が無く、お金を貯める為に戦うことがあったはずです。
そう、まさしく僕も途中、資金が足りなくなり、200万円のフリーローンでお金を作ったり、300万円を会社借り入れするなどして、なんとか工面しました。
家を建てるにはお金がかかるタイミングがあり、最初に一気にお金を集めなくても大丈夫。
そんなノウハウも学びました。
5)”クエストⅡ”はパーティープレイ
松本師匠に見捨てられないよう、なんとか食い下がり、ノウハウを教えていただくだけではなく、ネットで自分でもいろいろと調べあげ、実践していきました。
中でも大変な作業は屋根作業。 何も知らない僕は、松本師匠の設計通り「カネ勾配(45度)」の屋根にしました。 それが悲劇の始まり!よく考えればスキーで45度の斜度なんて崖みたいな感じです。
まず物が置けない!
何度かインパクトドライバーを落とし、ついには壊してしまいました。
急勾配の屋根から
その頃には、仲間もできていたのですが、どうしても資金がない中のボランティア作業をお願いすることになるので、作業員として無料でこき使う自分勝手なヤツ、と仲間が去って行ってしまうこともありました。
その頃から手伝ってくれ、自らも職業訓練校で大工を学びセルフビルド実践中の、安島ちはるさんは、今も講師として活動してくれています。
安島ちはる さん
そんなこんな、いろんなことを乗り越え、やっとの思いで僕のセルフビルドのログハウスができあがりました。
完成したログハウス 撮影:久冨健太郎
”クエストⅢ”は、みなさんの冒険!?
これ読んで、うっかり建ててみたいって思っちゃ…わないか!?
思わなくても、興味あるって思った時点で、もしかしたらスタート地点に立っているのかも。
家を建てたくても、「やっぱり無理かな…」
ってあきらめてる勇者へ、僕の体験、ノウハウを残していきます。
ポンコツと失敗を繰り返しながらコツコツ、コツコツ、レベル上げ作業を積み重ねた、貴重過ぎるノウハウ…。
そんな貴重な記事って、お高いんでしょ〜??
ヨムーノさんで、今なら無料です!
「やすぅい、やすぅーい。」
という訳で一緒にセルフビルドの世界を冒険していきましょー!
今回は、ここまでで
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次回は、「家建ての第1歩「ぼうけん」の準備編」へ
Continued
2017年より、NPO法人ふるさとネッツの理事となり、荒廃林を自ら整備して排出された杉材を使いログハウスをセルフビルド。 このノウハウを活かして、現在は東京と千葉を往復する2拠点生活を実践しながら、「セルフビルドサポーター」の資格制度を作り、多くの地方がめざす地域創生を「林業」から実現する日本初のモデルとなるべく邁進中。
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