ペット同行避難に備えるべき心得
- 2023年06月27日更新
9月1日は「防災の日」です。毎年この時期になると、世間の防災への意識も高まります。しかしペットを飼っているご家庭では、飼い主としての心得やペット同行避難にまつわる心がけまで適切に把握できていますか?
犬や猫、ウサギや鳥など“ペット”とひと口に言っても、その種類はさまざまですね。
市議会議員を務めさせていただいたときに全国に先駆け千葉県・市川市で「ペット同行避難」の制度を実現し、愛玩動物飼養管理士でもある“ペット同行避難専門家”の筆者が、ペットを飼っているご家庭が考えておきたいテーマと、必ずしておくべき3つの準備についてお話していきます。
イザという時、ペットは一緒に避難できるの?
2017年現在、環境省では「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」を制定しています。
つまり、イザという場面において、ペットと暮らす家庭ではペットと一緒に避難できる環境が全国的に認められているということです。
しかし「一緒に避難できる」からと言って、なんの備えもなくただペットを連れて避難所へ行っても、他の避難者の方々に迷惑をかけてしまう恐れがあります。
そのため、ペットを飼っているご家庭では、日頃からペットのために備えておくべき点もいくつかあります。
今回はそのなかから、“持ち物”にまつわる準備を3つお伝えします。
ペット用の食料と飲料水も準備しておく
「非常用袋」には家族(人間)の食料や水だけでなく、ペットの分の備えも必要です。
自治体の避難所備蓄には人間用の食料はあっても、ペットフードまでが潤沢に備えられているとは全国的には考えがたく、支援団体からの物資が届くのを待っているうちに日数がかかってしまうこともあります。
最低でも3日分、できれば1週間分のペットフードやおやつ、飲料水を備えておくと安心です。
また、持病のあるペットを飼っている場合には、常備薬も用意しておく必要があります。
ケージ・予備のリードも備える
非常用袋のそばにケージやキャリーバッグを一緒に置く・予備のリードを用意するといった準備も、飼い主として必要な備えです。
ペットが犬や猫の場合は、リードは必ず必要になるグッズだと考えてください。
災害はいつ・どのようなタイミングでやってくるのかが予測しにくいために、ペットを放し飼いにしないためのリードなどのグッズは、家のなかでも何箇所かに分散して備えておくと安心です。
筆者は、非常用袋に1つ、玄関の靴箱に1つ、リビングの出入り口ではない窓側のキャビネットに1つ備えていて、イザという場面でどこから避難することになっても持ち出せるように意識しています。
避難所では同行避難をできてもペットが避難できるスペースは限られることも予測されますので、ケージ・キャリーバッグも持ち出せるように備えておくと、なお安心です。
トイレグッズも準備を
さらに、避難所へ避難したあとのことを考慮して、ペット用のトイレグッズもしっかり準備しておきましょう。
普段は屋外でトイレをする習慣になっているペットでも、災害時など混乱した状況ではトイレがうまくできずに周囲に迷惑をかけてしまうといった事態も予測されます。
どんな環境に避難することになっても柔軟に対応できるよう、“ペット用のオムツ”を非常用袋にセットしておくと安心です。
ペットは家族の一員ですが、多くの人々が避難所に集まる災害時には、動物が苦手な方やアレルギーをお持ちの方への配慮も求められます。
そのため、今回ご紹介したようなグッズの準備はもちろんのこと、日頃から「人を噛まない」「吠えない」「言うことを聞く」「ケージに入って休むことができる」などの最低限のシツケをしておくことも、飼い主として大切な心がけです。
イザというシーンで、ペットとの避難で慌てたり困ったりすることを最小限にできるよう、この機会にペットとの避難を想定した準備を整えておくとよいのではないでしょうか。
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