中学3年生の保護者必見!【現役塾講師が教える】埼玉県私立高校の確約基準とは?
- 2024年12月17日更新
こんにちは、現役塾講師でヨムーノライターの大嶋光佑です。
埼玉県の高校受験に関する情報収集をしていると「確約」という言葉を見かける機会があるはずです。
「確約って合格が確約するってこと?」
「公立高校と私立高校、両方とも確約できるの?」
このような疑問を持っている方は多いのではないでしょうか?
志望校に合格できるかどうか不安な受験シーズンに合格を確約してもらえたら、それ以上に嬉しいことはないですよね。
そこでここでは、埼玉県の高校入試における「確約」について、現役の塾講師として中学生の進路指導をしている大嶋が、詳しく紹介します。
※2024年12月時点の情報です。
埼玉県の高校入試における「確約」とは?
埼玉県の私立高校の個別相談会の際に、北辰テストの結果や通知表を提出することで、高校から「合格の約束」をしてもらえる制度のことです。
個別相談会は年に複数回実施されていることが多いですが、基本的に9月以降の個別相談会にて確約をもらえます。
しかし、仮に北辰テストの結果や通知表の成績が合格基準を満たしていたとしても「合格”確約”です」とは言われない点には注意しましょう。
その代わりに「成績の基準を満たしています」「このままの成績なら安心して受験できます」「この成績で大丈夫です」など、やや遠回しな言い方をされます。
もし、合格基準を満たしていなかった場合は「これ以降の北辰テストで偏差値55以上を1回取ってください」「2学期の通知表の成績の4を3つ増やしてください」などのように、具体的な数字でアドバイスをしてもらえます。
確約は埼玉県公式の制度ではない!?
実は埼玉県の高校入試において「確約」制度が埼玉県公式のものではありません。確約制度は埼玉県公式のものではない、いわば「暗黙の了解」と言える制度。
1993年までは、学校内で実施された北辰テストの結果を参考にして、中学校と私立高校が直接コンタクトを取る形で、確約が与えられていました。
しかし、文部科学省からの通知により、中学校と私立高校が直接コンタクトを取ることや、北辰テストのような模試を合否判断の材料にすることが禁止されてしまったのです。
そこで、それまでは「中学校と私立高校」がコンタクトを取っていたところを「中学生と私立高校」が直接コンタクトを取る形に変わり、現在の確約制度が確立しました。
確約についてやや遠回しな言い方をされるのは、模試の結果を合否判断の材料にすることが禁止されているためですね。
北辰テストの結果を見て「合格確約です」と言ってしまうと、模試の結果で判断したことになってしまう。
だから「安心して受験できます」「この成績なら大丈夫です」のようなあいまいな表現をしているわけです。
確約を証明するものは何?
高校によって異なります。
メールで「受験お待ちしております」とだけ送信してくる高校もあれば、基準を満たしています等が記載された高校独自の用紙をくれる高校もあります。
在籍する中学校にはそれらを印刷して提出します。
共通していることは、高校からもらうメールや用紙に「確約」とか「入学を保証する」などの記載はありません。
確約についてよくある質問
ここでは、確約についてよくある質問に回答します。
確約をもらった学校には必ず進学しないといけないのですか?
「確約をもらった学校に必ず進学しなければならない」というルールはありません。そのため、確約自体は複数の学校からもらっても全く問題ありません。
ただし、確約をもらった後に単願入試で合格を正式にもらった場合は、その高校に進学しなければなりません。
単願入試は「合格したら進学すること」を前提として出願する受験形式だからです。これは、併願入試で合格を正式に貰った場合も同様です。
併願入試は「第一志望の高校が不合格だったら進学すること」を前提としているため、第一志望の高校が不合格だったら、必ず進学しなければなりません。
県立高校でも確約をもらえますか?
埼玉県立高校には、確約のシステムはありません。
そのため、県立高校に入学したい場合は、毎年2月末にある学力検査の第一次選抜・第二次選抜のいずれかで、合格する必要があります。
内申点と北辰テストの結果はどちらが重要ですか?
多くの高校では、内申点と北辰テストの結果の両方で、基準を満たしている必要があります。そのため、内申点と北辰テストは「どちらも重要」です。
学校によっては、内申点と北辰テストの結果の片方だけで確約がもらえる可能性もありますが、レアケースです。
英検や漢検の取得によって確約をもらいやすくなることはありますか?
あります。
たとえば、英検3級の合格証明書を見せることで、内申点の合計に1点プラスしてもらえることがあります。
ただし、偏差値60以上のレベルが高い高校になると、3級では加点にならず、準2級でないと加点対象にならない場合もあるので、注意しましょう。
県立高校が第一志望でも、私立高校の確約はもらっておくべきですか?
第一志望の県立高校が不合格だった場合の滑り止めとして、私立高校の確約をもらっておくことをおすすめします。
併願で確約をもらう場合は、単願よりも厳しい成績基準が設定されていることが多いので、その点は注意しましょう。
確約をもらえない私立高校はありますか?
あります。
有名な高校だと、慶應義塾志木高校・早稲田大学本庄高等学院・立教新座高等学校の3校が挙げられます。
確約をもらったら絶対に合格できますか?
確約をもらった場合、ほぼ確実に合格できると思って問題ありません。
しかし、入試を受けない・試験の答案を白紙で出す・試験で迷惑行為をする、などの一般常識を逸脱するような行為をした場合は、当然不合格になります。
要するに、それくらいのことをしない限りは、不合格にならないということです。
通知表に2があるのですが、それでも確約はもらえますか?
通知表に2があっても確約をもらえるかどうかは、学校によります。しかし、多くの高校では通知表に2がある場合、確約がもらいにくくなることを覚えておきましょう。
2があっても確約をもらえるかどうかは、実際に個別相談会に行った際に直接聞いてみることをおすすめします。
また、成績表に1がある場合は、ほとんどの学校で確約がもらえないと考えましょう。
〇〇高校の確約基準はどれくらいですか?
各高校の確約基準は、一般公開されていません。公式サイトや募集要項を見ても、必要な成績については触れられていません。
そのため、志望校の確約基準が知りたい場合は、実際に高校の個別相談会に行って話を聞くしかありません。
「〇〇高校 確約」と調べると、個人ブログなどで確約基準について紹介していることもありますが、正しい情報ではない可能性があるので、注意が必要です。
また、通っている塾によっては、例年の確約基準のデータを収集しているところもあります。近い日に個別相談会がない場合は、通っている塾に問い合わせてみるのも良いでしょう。
埼玉県以外の高校でも確約のシステムはありますか?
完全に同じシステムではありませんが、他の都道府県でも似たようなシステムがあります。たとえば、東京都の私立高校では「単願推薦」「併願優遇」の2つのシステムがあります。
それぞれ高校の募集要項に記載されている成績の条件を満たしていれば、ほぼ確実に合格できるというシステムです。
また、かなりレアなケースですが、東京都の私立高校の中には、夏休みの個別相談会の時点で、合格約束をもらえるところもあります。
9月以降の個別相談会で確約をもらえれば、ほぼ確実に合格できる
今回は、埼玉県の私立高校入試における「確約」について、紹介しました。
確約は、主に9月以降に各高校で実施されている個別相談会にてもらえるもので、よほどのことがない場合は、合格を約束してくれます。
確約をもらうためには、内申点と北辰テストの結果で一定の結果を残しておく必要があります。また、確約は複数の高校からもらっても問題ありません。
ただし、単願入試や併願入試の出願は1校にしかできないので、注意しましょう。
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