DIY最難関を日本一わかりやすく解説!家づくり木材加工のラスボス「母屋・桁」写真41カット【連載】「セルフビルド冒険の書Vol.13」@千葉県長柄町
- 2023年12月02日公開
こんにちは、木こりの源です。
木こりでも大工でもなかった”レベル1のど素人”が、木を伐って、加工して、家を建てる!と無謀にやり始めたものだから、そりゃ大変!
師匠に怒られ、最初はボッチで、やっとできた仲間にはなじられ、失敗を積み重ね…。 5年かけてやっと完成するまでの、貴重なノウハウをここに記していきます。
⇨連載を最初から読むならこちら
連載13回目は、伐って製材した木の仲間をレベルアップさせる”加工”の最終段階、「母屋(もや)・桁(けた)を作る」を見ていきましょう。
屋根を支える「母屋・桁」の登場です!
屋根の最も高い部材である棟木(むなぎ)と平行に、屋根の一番下に配置する材を「桁」と言います。 屋根下地の骨組みとなる垂木(たるき)を、棟木から桁に渡す為に、その間に平行に配置された材を「母屋」と言います。
母屋と桁は、棟木と垂木を含む屋根全体を柱の上と中空で支えています。
一番後方から、補助魔法と強力な攻撃魔法でパーティを支える魔法使いといった所。
これにてセルフビルドの冒険、勇者(棟木)土台(戦士)梁(賢者)柱(僧侶)母屋・桁(魔法使い)という全てのパーティが勢揃いするのです。
では、さっそく作り方を見ていきましょう!
「母屋・桁」にレベルアップ!加工3ステップをご紹介!
1.「垂木の転び止め」と「柱ほぞのメス」を作る
2.「腰掛け鎌継ぎのオスメス」を作る
3.「背割れ(セワレ)」を入れ、磨き上げる
「垂木の転び止め」と「柱ほぞのメス」そして、「腰掛け鎌継ぎのオス・メス」です。
「垂木の転び止め」と「柱ほぞのメス」、「背割れ」と磨きは、今までにご紹介してきたので、今回は継ぎ手のボスである「腰掛け鎌継ぎのオス・メス」の加工方法をご紹介していきます。
▶︎「垂木の転び止め」と「柱ほぞのメス」の作り方を紹介した記事はこちら
腰掛け鎌継ぎのオス
腰掛け鎌継ぎのメス
ではまず、最難関の中では比較的簡単いわば中ボスの「腰掛け鎌継ぎのメス」から、やっつけていきましょう!
腰掛け鎌継ぎのメスを作る
腰掛け鎌継ぎのメスの墨
まず「角ノミ」という四角く穴を開けられる武器を「そうび」します。
ない場合は、ドリルで代用します。
丸ノコの刃の届かない先頭部分と、矢印の出っ張り部分に角ノミで穴を開けます。
矢印の出っ張り部分に赤線が引いてあるので、そこに穴を開けるのがポイントです。
丸ノコの刃の深さを3cmに合わせます。
縦の墨を切って行きます。
両端をまず切ります。
間に何本か切れ目を入れます。
横の墨を切ります。
こんな感じに、丸太の小口に切れ目を入れます。
丸太上面の刻みに入ります。
丸ノコの刃を最大出力にして、墨の内側に何本か切り込みを入れていきます。
丸ノコの歯の最大出力は6cmちょい、我々の丸太は半分で9cm想定なので3cm弱は切り残るのです。
丸太の防御力恐るべし… 。
横の墨も切ります。
3cm弱の切り残しを、手ノコで切ります。
切ったら、インテリアバールで木片を取り除きます。
バリ(出っ張り)が残るので、ノミで取りのぞいていきます。
上面の細長い部分も、ノミで取り除いてい行きます。
ここも丸ノコの刃で届かない部分が3cm程度出るので、手ノコで際を切ってから、ノミで取り除きます。
矢印部分の赤い線から垂直に下に切ってい行きます。
斜め部分も切っていきます。
一気に切らず、少しずつ切るのが、きれいに切り取るコツです。
少しずつ”HP”を削ってやるのが定石なのです!
赤線から下に切った先から、上面の黒い墨線に向かって、斜めに墨線を書きます。
下に向かって斜め方向に、ノミを慎重に入れて、切り取って行きます。
この斜めの加工は「すべり勾配(こうばい)」と言います。
決して笑いが取れないってことではありません!
オスの継ぎ手を入れる時は入りやすく、組み込むと絞まって外れにくくなる役割があります。
この時も、少しずつ切ってHPを削っていくのが、きれいに仕上げるコツです。
最後に、「目違い」と呼ばれるこの部分を、切り取って行きます。
目違いは、腰掛け蟻継ぎの時にも出てきましたが、左右のズレを無くすためにする加工です。
下までノミを入れてしまうと、下部分に余計な割れが出来てしまうので、7分目くらいまで切り取れたら、ひっくり返して下からもノミを入れて仕上げます。
どんな局面でも、挟み打ちは有効な戦法なのです!
オスの継ぎ手が入りやすいように、各部分の面取りをして完成です。
これで、腰掛け鎌継ぎのメス完成!
▼参考動画:千葉県長柄町で一緒にセルフビルド中のヨムーノDIY女子部も「母屋」作りに挑戦しています。
今回は、メスだけでこんなに長くなってしまったので、これくらいで勘弁しておきましょう(笑) 。 Save
次回こそは本当に、丸太加工編最終回「母屋・桁」後編「腰掛け鎌継ぎのオス」を作る。
To Be Continued
2017年より、NPO法人ふるさとネッツの理事となり、荒廃林を自ら整備して排出された杉材を使いログハウスをセルフビルド。 このノウハウを活かして、現在は東京と千葉を往復する2拠点生活を実践しながら、「セルフビルドサポーター」の資格制度を作り、多くの地方がめざす地域創生を「林業」から実現する日本初のモデルとなるべく邁進中。
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