圧巻!写真73カットで全解説!家の「土台づくり」一番わかりやすいDIY加工4ステップ【連載】「セルフビルド冒険の書Vol.11」@千葉県長柄町
- 2023年07月30日公開
こんにちは、木こりの源です。
木こりでも大工でもなかった”レベル1のど素人”が、木を伐って、加工して、家を建てる!と無謀にやり始めたものだから、そりゃ大変!
師匠に怒られ、最初はボッチで、やっとできた仲間にはなじられ、失敗を積み重ね…。 5年かけてやっと完成するまでの、貴重なノウハウをここに記していきます。
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連載11回目は、伐って製材した木の仲間をレベルアップさせる”加工”の第3弾、「土台の作り方」を見ていきましょう。
縁の下の力持ち「土台」の登場です。
土台とは、コンクリート基礎の上にボルトで水平に固定される角材のことで、柱などから伝わる荷重を支えます。
まさに縁の下の力持ちで、防御力の高い「戦士」と言える職業です。
木材の中で1番地面から近い所に配置され、地面からの湿気にやられやすいので、かたいヒノキ材を使い、さらに防腐防蟻塗料を塗ります。
後からの補修が大変、かつ重要な部分ですので、もともとかたい材料に、鎧や兜、盾を”そうび”させて、最高に防御力を高めてやるのです。
「防御力」最強の戦士、土台はヒノキで!
土台には、やはりヒノキを使いたいところです。
ヒノキは、荒廃林には希少な存在なので、一般的に流通している、人工乾燥した120mmの角材を購入して使います。
人工乾燥とは、温度や湿度を人工的に調整しながら乾燥を行うことで、素早く乾燥させて木に含まれる水分を減らし、ねじれや反りを少なくすることができます。
在来工法では、柱や梁等、ほとんどの角材に人工乾燥したものを使います。
一方、我々が丸太で使っているものが天然乾燥材ですが、角材としては、ほとんど一般に流通していません。
天然乾燥と人工乾燥の違いは、木材を加工する時にはっきりわかります。
天然乾燥した木材は粘りがありますが、人工乾燥のものはパキパキ割れやすく、油っ気が抜けた乾燥肌とい
った感じです。
僕の勝手な見解ですが、人工乾燥の熱で油分も抜けているのではないかと思います。
おそらくは、木の強度自体も天然乾燥材の方が粘りがあるので強い気がします(木こりや大工仕事で木を切ってきた経験による勝手な予想です)。
両方それぞれにメリットがあるので、使い分けて材料を選ぶといいでしょう。
いずれにしても、土台を加工していると香ってくるヒノキのいい香り!
この香りの成分は抗菌作用を持っていると言われ、他の木より高い防菌・防カビ・防虫効果があり、カビの増殖を抑えたり、ダニや白アリの活動を抑制すると言われています。
「土台」にレベルアップ!加工4ステップをご紹介!
土台に使う木材の加工には、柱と土台を継ぐ「蟻継ぎ」と、土台と土台を継ぐ「腰掛け蟻継ぎ」があります。
柱と土台を"合体!"させる蟻継ぎ
土台と土台を"フュージョン!"させる腰掛け蟻継ぎ
土台の加工は、こちらの4ステップ!
1.蟻継ぎ(ありつぎ)のオスを作る
2.腰掛け蟻継ぎ(こしかけありつぎ)のオスを作る
3.腰掛け蟻継ぎ(こしかけありつぎ)のメスを作る
4.防腐防蟻塗料を塗る
では具体的にやり方を見ていきましょう。
1.蟻継ぎ(ありつぎ)のオスを作る
前回作った「柱の蟻継ぎのメス」とジョイントする部分となります。
▶︎「柱」の作り方を紹介した記事はこちら
在来工法で使う角柱は、単純なホゾでジョイントして金具等で固定するのですが、重い丸太は、蟻継ぎという木組みの技術も使って土台にしっかり固定させます。
「蟻継ぎオス」の墨
丸ノコの刃の傾斜角度を調節する「角度調整ネジ」で、切り込む角度を調整します。
あらかじめ刃の角度に合わせて作った木材片「治具(じぐ)」を、丸ノコの刃に当て角度を調節します。
垂直を測る定規「スコヤ」を使い、刃の長さを「3cm」に合わせます。
スコヤで刃の長さを3㎝に調整
丸ノコで、墨線を2か所縦に切り込みます。 刃の角度にあわせ、1か所は上から下に、もう1か所は下から上に切り上げます。
角度がついた刃での縦切りは少し難易度UP!
つばめ返しで上に切り上げ!
刃の長さを合わせ、丸ノコで側面の墨を切ります。
げんのうで木片をたたき落とします。
思い切ってぶったたくのがコツ
ノミでバリ(加工でできた不要なギザギザ部分)や面を取ります。
反対側も同様に行います。
ノミで形を整え、面取りをしたら完成です!
この台形の突起部分が、蟻の頭に似ている事から、蟻と名付けられたそうです。
▼参考動画:千葉県長柄町で一緒にセルフビルド中のヨムーノDIY女子部も「蟻継ぎオス」作りに挑戦しています。
2.腰掛け蟻継ぎ(こしかけありつぎ)のオスを作る
「腰掛蟻継ぎオス」の墨
腰掛蟻継ぎは形状が複雑なため、加工工程も複雑です。
ここら辺から「あー、継ぎ手を作ってる!」って感じになってきます。
例えるなら、”冒険で船を手に入れ世界が広がった”的な楽しさです。
墨線を見ただけでは、どんな形になるのか想像もつかないので、先に完成形を見て頂きましょう。
こちらが「腰掛け蟻継ぎオス」の完全体!
さ~、やりがいが出てきましたね! オラわくわくすっぞ!って思った人も多いはず!
では早速いってみましょう。
「治具」を、丸ノコの刃に当て角度を調節し、垂直を測る定規「スコヤ」を使い、刃の長さを「5cm」に合わせます。
スコヤで刃の長さを5㎝に調整
蟻継ぎと同じ様に縦の墨線を切り下げ、切り上げます。
次に横の墨線を、深さを合わせて、左右から切ります。
横面の墨線を、深さを合わせて切ります。
げんのうで木片をたたき落とします。
ノミでバリや面を取ります。
反対側も同様に行います。
不要な蟻の下の部分を切ります。
下面の横の墨線を左右から切ります。
蟻の端から垂直に上に向かって墨線を引きます。
引いた墨線の両脇の不要部分を、ノミで削り取ります。
反対部分も同様に加工します。
出来た突起部分を「目違い」、段差部分を「腰掛け」と言います。
ノミで形を整え、面取りをしたら完成です!
メスに入りやすいように角を面取りする
3.腰掛け蟻継ぎ(こしかけありつぎ)のメスを作る
腰掛け蟻継ぎのメスの墨
こちらも先に完成形を見て頂きましょう。
こちらが腰掛け蟻継ぎメスの完全体!
では作り方いってみましょう!
刃の深さを合わせて、縦切り横切り!!
こんな感じに切ります。
加工しやすいように、切り欠く部分に何本も切れ目を入れます。
蟻のメス部分を掘りやすくする為に、ドリルで穴を開けておきます。
これから掘るホゾに深さを合わせます。
蟻部分の端の墨線を丁寧に切ります。
蟻部分に数本切れ目を入れます。
腰掛け部分を切ります。
ノミで切り欠いていきます。
バリを取ります。
ノミで蟻部分を掘って綺麗に仕上げていきます。
目違い部分を上下から切り落としていきます。
上下からノミを入れる事で、下面の割れを防いで綺麗に仕上げられます。
面取りをして完成です!
4.防腐防蟻塗料を塗る
油性の防腐効果や防蟻効果がある塗料を、たっぷり塗布します。
浸透性なので、木材に塗料がよく染みていきます。
見えなくなる所ですので、大胆に塗っても大丈夫です。
これで土台の完成です!
今回は、ここまでで
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次回は、「梁を作る」へ
To Be Continued
2017年より、NPO法人ふるさとネッツの理事となり、荒廃林を自ら整備して排出された杉材を使いログハウスをセルフビルド。 このノウハウを活かして、現在は東京と千葉を往復する2拠点生活を実践しながら、「セルフビルドサポーター」の資格制度を作り、多くの地方がめざす地域創生を「林業」から実現する日本初のモデルとなるべく邁進中。
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