【連載】伐った丸太を"家の柱や梁"にレベルアップ!製材機の「じゅもん」で一刀両断!?「セルフビルド冒険の書Vol.5」@千葉県長柄町
- 2023年01月30日公開
こんにちは、木こりの源です。
木こりでも大工でもなかった”レベル1のど素人”が、木を伐って、加工して、家を建てる!と無謀にやり始めたものだから、そりゃ大変!
師匠に怒られ、最初はボッチで、やっとできた仲間にはなじられ、失敗を積み重ね…。
5年かけてやっと完成するまでの、貴重なノウハウをここに記していきます。
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連載5回目は、建材に使う丸太の「製材」を見ていきましょう。
伐った木を家にするためにレベルアップ!
これまで、荒廃林のモンスター杉を仲間にするべく伐木して集めてきました。
それを家にするためには更なるレベルアップが必要です。
その3ステップがこちら!
仲間にした杉丸太は、どのようにレベルアップして(家になって)いくかを簡単にご紹介!
①「製材」して、家の各部位に適した形にする。
②家の骨組みを作るための「刻み(加工)」をする。
③家の骨組みに組み上げる(「建て方」)。
こんな流れで、仲間になったモンスター杉は最終形態になっていきます。
今回はレベルアップの第一歩、「製材」の工程を紹介していきます。
製材とは”職業選択”だ!
製材とは、集材した丸太を家に実際に使う柱や梁などに適した形に切り出す事です。
僕の家は90本くらいの丸太が必要で、この全ての丸太の個性を見ながら一本一本どのように製材するか決めていきます。
言わば、適した職業にしていくことなのです。
荒廃林で、丸太をクレーン付きトラックに積み込む
餅は餅屋、製材は製材所!
製材は専用の製材機で行います。
製材機
チェーンソーでも特別な機材を使えば製材出来ます。
数本ならチェーンソー製材でも良いかもしれませんが、木材の縦引き(木の繊維方向に切ること)は、機械に大変な負荷をかけます。
イメージ的に、チェーンソー製材は単体への「こうげき」、製材所での製材は「じゅもん」での全体攻撃といったところでしょうか!?
というわけで、チェーンソーで90本程度製材するのは、時間的にも、機械的にも、正確性の面でも厳しいので製材所に頼むのが現実的でしょう。
私達は、長柄町の友次製材所さんにお願いしております。
友次製材所
製材機って、木材列車に乗っけて一刀両断する機械
クレーン付きトラックで運んできた丸太は、製材所のフォークリフトで受け入れてくれます。
フォークリフトによる受け入れ
受け入れられた原木は、製材機の木材を待機させる台に乗せられ、機械でコロコロと転がされ、列車の様な台に移されます。
動く台に丸太を固定し、切るところを見極め微調整して、製材機の歯に台ごと向かって行きます。
この見極めが、キラリと光るモンスター杉にするための職人技といったところでしょうか!
製材機の歯は、帯ノコという文字通り帯状のバカでかいノコギリを使います。
チェーンソーが赤子の手に見えるくらいのモンスターノコギリです。
帯ノコ
これが高速に回転しているところに、木材列車が入って行きながら丸太を両断するイメージです。
勇者が丸太を斬ったら、こんな感じにできるのだと思います(笑)。
では、丸太をどのような形に製材するか見ていきましょう。
丸太は、仕上がったときに”壁に接して見えなくなる部分”に面ができるように製材します。
ここからは、実際の図面を見ながら説明していきます。
家の垂直方向を支える職業「柱」「小屋束」
平面図
断面図
断面図で見るとわかりやすいのですが、柱と小屋束(こやづか)は、家の躯体の垂直方向を支える役割です。
見せる部分の柱は一面を薄く、角に据える柱は垂直に切って扇状に、壁に挟まれた柱は二面を切って太鼓状に、三面壁に囲まれる柱は三面を、それぞれ製材します。
それぞれ、一面引き、扇引き、タイコ引き、三面引きと言います。
家の平行方向を支える職業「梁」「桁」「母屋」「棟木」
次は、家の中空に、地面と平行に渡す、梁(はり)、桁(けた)、母屋(もや)、棟木(むなぎ)を断面図と共に見て行きましょう。
まず柱の上にくる梁はタイコ引きに、その上にくる桁は三面引き、小屋束の上に中空に渡す母屋は三面引きといった具合に製材していきます。
それぞれの部位の役割に合わせた形にすることと作りやすさから、このように製材していくのです。
実際の製材の様子は、動画「ミス日本が製材を見学しに行ってみた!【女子がゼロから!森でログハウスつくってみた 第10話】」でご覧いただけます。
さて、各部位に適した形になった丸太は、次なるレベルアップ「刻み」をするのですが、それはまた次の次の回のお話…。
今回は、ここまでで Save
次回は、「建築図面の見方」へ To Be Continued
有限会社 友次製材所 〒297-0218 千葉県長生郡長柄町桜谷87 Tel:0475-35-4235 Fax:0475-35-4231
建築設計 ログテック二級建築設計事務所 松本透亮(まつもと ゆきふさ) (千葉県知事登録第2-0408-6038号) 〒299-3255 千葉県大網白里市みどりが丘1-17-3 Tel:0475-72-5952 Fax:0475-72-5962
2017年より、NPO法人ふるさとネッツの理事となり、荒廃林を自ら整備して排出された杉材を使いログハウスをセルフビルド。 このノウハウを活かして、現在は東京と千葉を往復する2拠点生活を実践しながら、「セルフビルドサポーター」の資格制度を作り、多くの地方がめざす地域創生を「林業」から実現する日本初のモデルとなるべく邁進中。
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